【自己研修通信】~今の教師は心理学を学ぶことは必須である~

※「新・精進」 第22号 発行日 平成30年10月17日

 

◆これからの学級経営において、一人一人を限りなく大切にするということは極めて大切である。問題なのは、どのように大切にするのかということである。

 

◆学習指導要領においては、学級経営は「児童の発達の支援」という中で出てくる。20号でも紹介したが今一度紹介しておこう。

児童の発達の支援

1児童の発達を支える指導の充実

 (1)学級経営、児童の発達の支援

 学習や生活の基盤として、教師と児童との信頼関係及び児童相互のよりよい人間関係を育てるため、日頃から学級経営の充実を図ること。また、主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の児童の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により、児童の発達を支援すること。

 あわせて小学校の低学年、中学年、高学年の学年の時期の特徴を生かした指導の工夫を行うこと 。

「児童の発達の支援」という中での「学級経営」である。教師目線ではない。子どもの側に立って、どのように子どもたちの発達を支え、助けていくのか。それが学級経営で、まずは押さえておきたいことである。

 

◆人間関係をよりよくしていくことが学級経営の充実につながることだと述べている。また、学級集団の指導等のための「ガイダンス」、個別に対応する「カウンセリング」について触れている。これを読むと、学級経営の充実を図るためには「発達心理学」「臨床心理学」等の心理学的アプローチが重要であるということ、それが色濃く出ている。

心理学的アプローチ・心理学的手法による学級経営の充実。

これが今回の学習指導要領における学級経営のポイントだと理解していいであろう。

 

◆学習指導要領「総則」の解説では次のことが指摘されている。

学級経営を行う上で最も重要なことは、学級の児童一人一人の実態を把握すること。すなわち確かな児童理解である。学級担任の教師の日頃のきめ細かな観察を基本に面接など適切な方法を用いて、一人一人の児童を客観的かつ総合的に認識することが、児童理解の第一歩である。

 

◆学級経営で「最も重要なこと」は「児童理解」なのだと述べている。そしてその後の文で、具体的に児童理解の手法について述べている。「学級担任の教師の日頃のきめ細かな観察を基本に面接など適切な方法を用いて、一人一人の児童を客観的かつ総合的に認識すること」これはほぼ「アセスメントの手法」である。

 

◆アセスメントとは何か。手元にある臨床心理学の本には次のように書いてある。

「アセスメント」または「心理アセスメント」とは実践活動で最初に行う作業です。

クライエントの情報を収集・分析し、問題について総合的な評価を行います。

心の問題を解決するために、どのような介入をすると良いのかを探るのに必要な過程です。

そして、次のように書いてある。

アセスメントでは心の問題そのもの以外クライエントの心理的な傾向も調査します。

その点でアセスメントは診断とは性質が異なります。

また最近では、アセスメントにおいて心の問題や心理的な傾向についてだけでなく行動パターンや生活環境の特徴といった様々な面から情報を収集するようになっています。

アセスメントの主な情報収集法には面接法・観察法・検査法と言った三つがあります。

 

◆子どもの状況・行動パターン・生活環境の特徴・心の問題・心理的傾向について、様々な情報を収集・分析し、総合的な評価を行うことだ。そしてその後にどのような発達支援をしていったらいいのかを探る最初のアプローチだということになる。

 

◆アセスメントには基本的に次の5段階があるという。

1「受付段階」基礎的な問題状況や申し込み理由を確認し、クライエントの申し込みを受け付けます。

2「準備段階」受付で得られた情報をもとに、アセスメントの計画案を練ります。

3「情報収集段階」必要な情報を得るため、クライアントへの面接・観察・検査などを実施します。

4「情報処理段階」情報の分析結果を総合して、問題を把握し、仮説を立てます。

5「結果報告段階」仮説を必要に応じてクライエントや関係者に伝えます。

このアセスメントの進め方を学校現場、学級担任が実践するとしたら2から4の段階がとても参考になるであろう。現状において、アセスメントの計画案を立てる教師はほとんどいない。意識的・意図的に情報収集する教師もいない。ましてや分析したりすることもないであろう。

 

◆アセスメント「情報収集段階」におけるの情報収集には以下3点ある。

1 観察法

2 面接法

3 検査法

これは、前述した学習指導要領の「児童理解の第一歩」とほぼ同じである。それぞれにはいくつかの手法がある。例えば「観察法」には「自然観察法」「実験観察法」「参加観察法」などである。ただ何となく子どもと接していればいいという考えではなく、教師は意図的・計画的に子ども理解・子どもの実態を把握する必要がある。

 

◆そしてそのことが次のことにつながるのである。

日頃から児童の気持ちを理解しようとする学級担任の教師の姿勢は、児童との信頼関係を築く上で極めて重要であり、愛情をもって接していくことが大切である。

子ども理解しようとするために行う教師の「アセスメント」の姿勢は、「極めて重要」だということになる。

 

◆教師は心理学の専門家ではない。もちろんカウンセリングの専門家(カウンセラー)でもない。しかし、今教師に求められているのは教育のプロとしての専門性である。教師は発達心理学・臨床心理学を学ぶことは必須となっているのである。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です