【学校便り】当たり前のことが当たり前にできる学校

【解説】令和元年7月11日記

日常の子供たちの言動、つい色々なことが気になってしまうことがあります。そのたびにきちんとさせたいと思います。ところが、何から何まで注意し、直させようとすると害の方が大きくなります。子供は大人の都合のよいようには行動してくれません。そんなの当たり前です。それではすべてを子供にまかせてしまったらどうでしょうか。それは放任です。それもまた、うまくいかないものです。教育という場にあって、どのような指導がいいのか。そのキーワードは「限定」です。全てを指導しようとするのではなく、ここが直ったらすべての行動が正されていく、というポイントを押さえることです。その代表的なのが、森信三の「躾三原則」と呼ばれているものです。今でも大切な原則です。

※初出 学校便り 平成26年度4月号

◆元プロレスラーの アニマル浜口さんをご存知でしょうか。女子レスリングの世界で世界王者になった浜口京子さんのお父さんであり、「気合だ!気合だ!気合だ!」と叫んでいる方です。アニマル浜口さんは、プロレスを一度は引退しますが、再びリングに戻ります・復活を果たしますが、すぐに大怪我をしてしまいます。

 

◆その、ある意味最悪の時期に、一冊の本と出合います。教育哲学者、森信三の書いた『修身教授録』という本です。そこに書かれている言葉にアニマル浜口さんは衝撃を受けたと言います。特に次の言葉。

 

「二度とない人生、いかに生きるかという、

生涯の根本方向を洞察する見識、

並びにそれを実現する上に生ずる

一切の困難に打ち勝つ大決心を

打ち立てる覚悟がなくてはならない」

 

◆この言葉に出会ってからのことを、アニマル浜口さんは次のように言います。

 

自分も二度とない人生を熱く燃えて生きようと思い、この覚悟を常に忘れないためになにかいい表現はないかと考えた。それが「気合だ!」というフレーズだったのである。 「気合だ!」が、今では私のトレードマークとなっているが、すべてはこの本から始まったと言ってもいいだろう。

 

◆アニマル浜口さんの生き方にも大きな影響を与えた教育哲学者、森信三(平成 4年逝去 享年97歳 )。森信三の教えは、日本の教育界のみならずさまざまな人たちに影響を与えました。その一つに子育てに関するものとして「しつけの三原則」というのがあります。

 

(一) 朝のあいさつをする子に。

(二) 「ハイ」とはっきり返事のできる子に。

(三) 席を立ったら必ずイスを入れ、ハキモノを脱いだら必ずそろえる子に。

 

◆当たり前といえば当たり前のことです。子育てで重要なことを「心を育てよう」だとか「親孝行できるようにしよう」とか、抽象的で難しいことを言っているわけではありません。誰でもが、その気になればできそうなことをわずか3点に絞り言っているのです。そして、この「挨拶」「返事」「椅子・靴」の3点が身についていくと、他のことも自然と身についています。生活力・自律心が身についているものだということです。

 

◆ところが、この誰でもが実践できることを、子どもにしつけることはそれほど簡単なことではありません。そして、当たり前のことが当たり前にできる大切さを訴えているのは森信三だけではありません。

 

◆松下電器の創業者である松下幸之助は、会社経営が上手くいっているかいないかを判断するポイントとして、「従業員の挨拶」「整理整頓」「トイレ掃除」の3点としていたといいます。従業員がきちんと挨拶できる。職場がいつも整理整頓されている、トイレがいつも清掃され気持ちよく使うことができる。そうした一見すると会社経営とは関係なさそうな点こそ、実を言うととても大切であり、簡単なことができなければ、どんなに大きなことをえらそうに言ったとしても、何事にもいい加減になり、会社の目標達成はできないというわけです。

 

◆昨年度から、上西中では「当たり前のことが当たり前にできる学校」ということを重点の一つにしています。幸いなことに、生徒達は規律正しく学校生活を送り、多くの方々からお褒めの言葉をいただいています。今年度も「当たり前のことが当たり前にできる学校」を目指して、教職員一同頑張ってまいります。また、日々の動きは学校ブログや学級通信等でも発信してまいりますので、何かお気づきのことやお困りのことがありましたら、どうぞ遠慮なさらずご相談ください。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

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