【教頭通信】基礎学力アップをいかにしていくか②

【解説】令和元年9月21日記

前号の続きです。今回は、「辞書引き」「視写」について書いています。どちらも大切な基礎学力です。基礎学力の取組は地味ですが、極めて大切なことだと思います。これはAIやロボットなどの先端技術が発展している時代にあってもです。

※初出 平成13年5月 教頭通信

基礎学力アップをいかにしていくか②

 

■実態把握の方法、これをいかなる方法でやるのか、これがまずポイントになります。

そこで、前号では「漢字診断テスト」について簡単に触れました。

今回は、「辞書指導」の診断をいかにしたらいいのか一方法を示してみることにします。

■辞書指導では、目的の言葉を素早く見つけ出すことが出来る、ということが目標になります。(文脈の中で適切な意味を選択できるというのもありますが、当面は素早く見つけ出すことが出来るということが大切になるでしょう)

そこで、素早く見つけることが出来るかどうかを診断し、客観的なデータ-を得る方法を考えます。

これは、集団で行うより、一人一人を教師のところに呼んで診断するほうがいいでしょう。

教師の前に辞書を持って子どもを呼びます。

教師は、ストップウォッチを持っています。

教師は、あらかじめある単語をカードに書いておきます。

1枚のカードに一つの単語。これを3枚ほど用意しておきます。

単語を見せ、子どもに辞書を引かせます。

教師は、ストップウォッチで子どもが言葉を見つけるまでの時間を計ります。

同じようにして難易度の違う言葉3問程度を実施してみます。

この結果を集計し、分析を加えるということをして見ます。

■実態把握がきちんとできれば、その後の指導がおぼろげながら見えてきます。

もう一つ、違う例。

私が、大規模校で基礎学力の実態把握を行った方法の一つで、「視写の力」を見る検査をしたことがあります。

視写が素早く出来ない子は、黒板の文字を速く写せません。

音読もすらすら出来ません。

作文も苦手とします。

つまり、どんな教科であれ、書くことがスラスラ出来ないことがその教科の障害となってしまうのです。

そこで、視写ということに着目し、それを診断することにしたのです。

診断方法は、次の通りです。

この診断の目標は、教科書の文章を素早く視写できるのかを診断する、ということです。

原稿用紙を子どもたちに渡します。

教科書のもう既に習った文章をその作文用紙に視写することを子どもたちに伝えます。

視写する時間は、3分間とします。

後で何字視写したのかがわかるように、段落があっても、改行せずに原稿用紙の桝目にどんどん書いていくことを説明しておきます。

つまり、1行書けば20字書いたことになります。2行書けば40字です。

間違えた字は、消しゴムで消さず、鉛筆で間違えた字に線を引き、隣に正しい字を書かせます。

句読点は一字として数えます。

教師は、3分間時間を計り、3分たったら鉛筆を置かせます。

子どもたちに何字書いたのかを数えさせ、原稿用紙に書いた字の数を書かせます。

子どもたちに何字書けたか申告させて記録しておきます。

■この3分間視写を何回か継続して取り組んでいくと、子どもたちの視写力は急激にアップします。

診断テストが子どもたちの基礎力アップにもつながるという側面があるのです。

さて、子どもたちは3分間で何字程度書ければいいのでしょうか。

もうだいぶ前のことなので、はっきりしないのですが90字程度書ければ、合格としていたと思います。

90字行かない子は、何らかの問題を抱えていました。

黒板の字を写さないで、手遊びや手悪さをしていることが多かったです。

授業にも集中できず、人の話をよく聞けなかった子に多かったです。

ところが視写力がアップしてくると、見違えるようになってきたということも多かったです。

もちろん、この取り組みだけで改善されたとは思いませんが、何らかの効果はあったのだと私は信じています。

やってみてください。

いろんなことが見えてくると思います。

■実態把握の方法を確定することが、今回のように「基礎・基本定着」に取り組むときには大変大切なことなのです。

この文章を書いている時点で、大桃先生の学級通信が手元に来ました。

ひらがな定着に向けての実態把握とその考え方が書かれてあります。

大変すばらしいと思いました。

研修の方向性を理解し、具体的に取り組みを始めています。

もちろん、他の先生方も何らかの形で取り組まれていると思いますが、たまたま大桃先生の取り組みの様子を知ったので、ここに書かせてもらいました。

学級通信とは限りませんが、研修への取り組みを何らかの形で記録として残していくことは後で大変貴重になります。

≪次号に続く≫

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