【月別経営の重点】悲劇を防ぐために

【解説】令和元年7月24日記

長年、教師をやっていると、どの時期にどんな問題が起き、どのように子供たちは育っていくものなのかということが感覚としてわかっていく。子供たちの成長は、個別的なものだが、そこにはある種の共通性というものもある。夏休み終了間際になると、子供たちの心は揺れだす。一番のポイントは宿題である。宿題がきちんとできていないと二学期始業式が憂鬱になる。誰もが経験したことだ。だから、そのことに対してどのように対応しておくのかが学校として大切になる。私のしたことで言えば、宿題をなくすこともしたことがあるし、夏休み中に暑中見舞いを一人一人に出して困っていれば先生が相談に乗るよ、みたいなことをしたこともある。ともかく、教師は「夏休み中の課題は、やってきて当たり前」という感覚は捨てた方がよい。

(グラフは省略し、一部の文章記述変えてあります)

※初出 平成29年8月

前回の最後に次のように記した。

夏休み中や二学期になって生徒指導上の問題が噴出するとしたら、それは一学期末からその兆候はある。声、表情、服装、小さなルール破り、身の回りの乱れ等、その兆候を捉まえて、早目、早目に指導する。「生徒指導は事前指導による未然防止が最良である」何か問題が起きてから対応すると、後手になり余分なエネルギーを使うことになる。4月当初、生徒との出会いにおいて確認した中央中の生活規律・学習規律が維持されているのかを確認し、きちんと取り組んでいる生徒を認めてあげることが大切である。ともすれば守れていない生徒、守れていないことばかりに目が行きがちである。マイナス思考ではなくプラス思考で二学期につなげていきたい。

今の段階で詳細は分からないが、衝撃的で悲しい事件が起きた。以前から教育関係者が指摘した「始業式前後の悲劇」である。この時期は大人・教師が考える以上に子供の心が揺れる。始業式を挟んで丁寧な対応が求められるのである。また、悲劇の兆候は1学期末からあったかもしれない。昔であれば長期休業中は家庭に返す期間であるから、家庭にお任せといった感じでよかったのかもしれなかった。今の時代は、長期休業期間だからと言って、家庭にお任せという態度をとってしまえば、変な誤解を与え、新学期が始まってマイナスの状態で出発しかねない。厳しい時代になったのだと言わざるを得ない。

 

悲劇の連鎖を防ぐためのポイント

悲劇は連鎖すると言われている。悲劇の連鎖を生まないために学校現場に立つ私たち教師ができることは「子どもを注意深くみる」「子どもの声に耳を傾ける」「どんな子供であっても分け隔てなく接する」「一人一人にこまめに声をかける」といった子供たちへの受容的な態度。その上で、日々一人一人のこどもたちに自信をつけていくことである。「わからないことをわかるようにしてあげること」「できないことをできるようにすること」「見えていないことを見えるようにしてあげること」である。その上で、集団の質を向上させること。支え合う集団・認め合う集団・助け合う集団として機能させることである。

 

今年度の重点「規律と能動性」は矛盾する要素を含んでいる

研修部が中心となって授業・学習アンケートを実施してくれた。そこで、1学期末で研修部のフォルダに入っていたアンケート結果だけを、とりあえず私の方で集計してみた。

今年度の本校の重点は「規律の内面化と能動性の涵養」である。この観点から生徒の自己学習アンケート結果を集計してみたのが裏面の上のグラフである。このグラフは昨年度12月に実施した結果も併せてのせることで比較できるようにしたものである。この結果を見ると「規律・ルール」は昨年度と同程度。しかし、マイナスに思っている生徒「そう思わない」「そう思う」は若干増加していることが見て取れる。「能動的」は増加している。積極的に行動できる生徒が増えていることがわかる。本校が長年課題としてあげてきた「おとなしすぎる」「積極性に欠ける」といったことが改善されていることがわかる。「規律」と「能動性」はある意味矛盾するところがある。規律正しくなれば能動性は下がる。逆にある程度自由度が高まる、つまり規律を緩くすれば能動性は高まる。このバランスをとるのは、子ども自身の内面の成長である。子どもの内面の成長がなければ、どちらかに大きく傾く。「もの言わぬ子」「指示待ち人間」となるか「荒れ狂う生徒」となってしまいがちなのである。そこで重要なのが教師の指導性という問題である。

 

本校の授業改善は着実に進んでいる

下のグラフは授業アンケートの結果を「教師の授業の基本」と「教師の授業の展開力と構成力」という観点で集計してみたものである。これも昨年度12月と比較してみた。結果、本校の先生方は着実に授業改善を行ってきている。どの項目も全て向上している。これはなかなかすごいことである。長年研修部が取り組んできたことや各教師が努力してきた結果である。「授業・学習アンケートの実施」「全職員の年一回の研究授業」「ワールド カフェ方式による研究協議」等が効果的に機能してきた結果なのだろうと思う。

今回の「悲劇」と今回のアンケート結果から、中央中では今までの取組を着実に行っていくことが「悲劇」を防ぐものなのだということを二学期出発にあたって確認しておきたい。「一人一人の意見や考えを大切にすること」「授業が分かりやすいこと」そして集団づくりの観点として意見や考えが発表する場面やお互いを認め合う場面が授業や学校生活の場面で位置づけられていることが大切であるということである。

 

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