【月別経営の重点】12月。「努力型の学校」にすること

【解説】令和4年6月11日記

学校は、子どもの学力を向上させよとか、不登校やいじめを少なくせよとか言われる。

それらは学校とりわけ教師の責任であることは間違いない。

間違いないが、教師側に立った時、それほど簡単でないことに気づく。

世の中には、様々な手法や指導方法があるので、教育実践に自信が持てない時はどれを選択してよいのか迷う。

しかし、ひとたび子ども側の視点に立つとやるべきことが見えてくることがある。

子どもが何かに悩んでいたり、不安に思っていたり、興味関心が教師が考えているものと違っているとき、どんなに教師が子供の尻をたたいても伸びてはいかないものだ。

特に中学生期はそうだ。

子どもが意欲をもって、本気になって物事に取り組みだすと素晴らしい実践の事実が生まれてくる。

子どもの側に立って、子どもの視点で教育を構想できるかがポイントである。

そのために何が必要なのか。

子どもの実態を正確にとらえ、成長させていくうえでどんな指導をしたらいいのかを適切に判断できることだ。

※初出 平成29年12月20日

 

1 こどもを成長させるキーワードは「やる気」と「努力」である

学校、とりわけ公立の義務教育学校は、すべての子どもの成長を促すものでなければならない。

一人一人の子どもを伸ばす、可能性を引き出すためにはどうしたらよいのか。

極端な話、教育という行為をしなければ、伸びる子は伸びるし、伸びない子は伸びない。

一人一人には生まれつきの個性・能力、家庭環境の違いがあるのだから当然そのような結果となる。

そうではなく、一見ダメだと思われる子であっても、その子の中に伸びる「芽」を見つけ出し、その「芽」を伸ばしていこうとする姿勢が教師には必要である。

「あいつはダメだ」「あいつに何を教えても伸びはしない。成長しない」「家庭が悪いから、親が悪いからあのようになるのだ」等といった「子どもの悪口」は、教師としての自分に力がない時には、往々にしてそのような言葉がでがちになる。

子どもを育てる。

子どもの可能性を引き出す。

そのことは教師自身の成長と一体のものである。

自分が若くて未熟な時には、どうしても「子どもの悪口」が出やすい。

しかし、自分が教師としての力がついてくると、子供の育ちへの見通しが立つ。

様々な子を教えた経験を通して、指導の幅ができる。

子どもの様々な言動について、余裕をもって対応できるようになる。

また、どんなにベテランであっても教師としての成長を止めた時、子どももまた成長を止める。

教師と子どもの相互作用で成立する教育とはそういうものだ。

一人一人の子どもを育てる。

個を育てる。

そのポイントを私の教師人生を通して、私なりに持っている。

それはたった二つである。

1 やる気を引き出すこと。

2 努力する子に育てること。

この二つのことができれば、大概のことは乗り越えていける。

もちろん、たった二つのことだが、そのことをやろうとすると結構難しいものだ。

それは個人を育てることが主たるものだが、どうしても学校文化が抱える方法・伝統的にしてきたこと・他の教師との葛藤が生じることがあるからである。

それは価値観の違い・教育理念の違いと言っていいかもしれない根深いものである。

 

2 「努力型の学校」にすることが全ての生徒を伸ばすことにつながる

さて、話が少しそれた。

話を戻す。

公立の義務教育学校は、すべての生徒を伸ばすために「努力型の学校」でなければならない。

努力することを奨励し、努力した子を認める。

結果は、あくまで努力の賜物であり、「能力型」の「結果オーライ。結果が全てなのだ」といった考え方に与してはならない。

「努力型の学校」となっているか。

それをみる目安として、私は定期テストの結果を参考としている。

学力テストの場合は、テスト結果をグラフにすると「正規分布型のグラフ」になりやすい。

正規分布とは、言うまでもなく右図(略)のような、平均値を軸とした左右対称の山型になる分布である。

テストにおいても、あまり指導の手が入らなければ、通常はこのような正規分布型のグラフになる。

以前の相対評価の時代、「5・4・3・2・1」の評定を付けるときには、この考え方が背景となって通知表をつけていた。

しかしながら、当然これに批判的な意見が出される。

子どもたちが勉強に頑張れば上位層の「5」「4」段階が増える。

「勉強に頑張ったクラスも勉強に頑張っていないクラスも、人数割りで同じだというのはおかしい。」そうした批判が出た。

そこで、絶対評価とし、人数には関係なく、基準の点数を達成できていれば「5」「4」段階等につけてよいとしたのである。

とすれば、勉強を頑張る子・努力する子が増えれば正規分布ではなくなるということになり、高得点の方に人数が偏り低得点層が少なくなるのである。

「努力型の学校」とは、「高得点層が多く、低得点層が少ない」学校なのだといえるのである。

 

3 定期テストからみえる本校の課題

以上の観点で、今回の二学期期末テストの結果を振り返ってみよう。

※以下グラフは省略

まずは1年生である。

1学期と2学期を比較してみた。

1学期は、完全な正規分布型を示している。

1年生は、昨年(現2年生)も同じような傾向にあった。

小学校時代の学習法から脱却できていないのである。

つまり、小学校時代は定期テストというものはなく、家での試験勉強というものがない。

あったとしても漢字テストや計算テストなどのミニテスト対策である。

そのために試験に向けて勉強するという習慣がない。

これが1年生である。

そこで2学期末。

グラフを見ると分布に変化が生じている。

これは今後の変化を見ていかなければならないが、特に危惧する点は低得点層(3割未満)が多くなっているということである。

これは何らかの対策が必要だと思われる。

また「350~400」の「中の上」層が減っていることも心配な点である。

 

2年生である。

1年生時の期末テストを見てみると明らかに正規分布型、特に平均値層が多い型である。

ところが1年経った今回の結果である。

高得点層が多く、「ジャンプ台」型となっていることがわかる。

つまり定期テストに向けて努力する子が増えたのであ る。

特に1年前中間層だった子たちが中学校の勉強の仕方にも慣れ、頑張り出したのではないかと推測できる。

 

3年生。変形の「ジャンプ台」型となっている。

1年前の2年生時と比較すると、高得点層「400以上」の子どもたちが15名から24名にまで増えた。

この層がこれくらい増えるというのはなかなかないことだろう。

その反面、「中の下」「下の上」層が増えている。

心配な点である。

ある程度の点数で満足しているのか、あきらめてしまったのかわからないが、この層の子供たちをいかにして高校入試に向けていくのかというのは今後の指導のポイントになるだろう。

 

4 保護者アンケート・「心の問題」に対応することが求められている

学校評価の保護者アンケート分の集計が終了した。

記述以外の分で過去3か年の推移をグラフ化してみた。

15項目中12項目が向上もしくは維持という結果であった。そのうちのベスト3が以下の項目である。

ベスト1 生徒は家庭学習に意欲的に取り組んでいる。

ベスト2 生徒は来客や地域の方にきちんとあいさつをしている。

ベスト3 生徒は部活動や勉強など一生懸命に取り組むものを持っている。

そして、下降しているワースト3が以下である。

ワースト1 本校のいじめ予防対策や、早期発見のための取組、発生時の対応は適切である。

ワースト2 本校では深く考えさせる道徳の授業を大切にし、自らの生き方を見つめさせる道徳教育が行われている。

ワースト3 生徒の悩みや問題について適切に関わっている。

特にワースト項目をみると、共通して浮かび上がってくることがある。

それは「心の問題」である。

保護者は「心の問題に適切に対応・指導できていない」と思っている傾向にある。

この傾向について、私達学校側ではきちんと理解しておく必要がある。

もちろん、私たちには言い分がある。

しかし、そうであったとしても、事実として保護者は「心の問題に適切に対応・指導できていない」と受け止めているのである。

心したい。

5 二学期、ありがとうございました

三学期から新年度に向けて、学習上の課題や「心の問題」について各学年・各学級、そして学校全体として考えていかなければならないだろう。

また、これら以外にもきっとあるだろう。

冬季休業中に少しでも考えておいていただければと思う。

さて、二学期もいろいろなことがあった。継続している課題もあるが、何とか全職員の力で乗り越えてきた。

感謝したい。

ありがとうございました。

 

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