【教頭通信】仕事の手順を見直す・その1
【解説】令和元年8月6日記
今、日本は働き方改革の真っ最中です。教育の世界も盛んに働き方改革ということが言われています。必要と思われないことや無駄なことは、大胆にカットすることは当然として、一人一人の仕事ということでみれば、仕事の手順ということも見直した方がいいと私は考えてきました。同じ仕事でも、2時間で出来る方もいれば、1時間で出来る方もいます。そうした観点で仕事というものを見ていかなければ、何かが変です。仕事を「量」という観点だけでなく、「質」ということでも振り返る必要があります。教育の質を上げるためには、若いときや未熟な時には、「量」を確保しなければなりません。その上で、「質」を高めていく努力をしていかなければならないのです。
※初出 平成13年 教頭通信
■昨年度は、夜の11時、ひどいときには12時過ぎまで学校に残り、仕事をしている方がいました。
私は、布団に入り、寝ようとするのですが、学校のカギが戻らないとなかなか寝られず、イライラすることがよくありました。
最初の頃は、先生方が一生懸命なのだから、これは仕方のないことだと思っていました。
しかし、連日連夜、12時近くまで帰らないとなると、これははっきり言って問題です。
職員の健康問題もあります。(もちろん私の健康も含めてです)
学校施設の管理上の問題もあります。
ひとたび問題が起きれば、「管理職は一体何をしていたのだ」ということになります。
■昨年の終わり頃から、先生方の最終退勤も9時前になってきました。
昨年度より2時間前後最終退勤が早まりました。
それだけでも私の精神状態はすこぶる良くなりました。
皆様のご協力に感謝します。
しかし、これも私からしたらやはり「もう1歩」です。
労働時間が12時間を越えているのですから。
そこで、町の通達を、今年度最初の職員会議でお見せし、先生方の理解を得ようとしました。しかしながら、ほとんど改善されていません。
年度最初ですから、仕方のないことが多いのかもしれませんね。
■職員から嫌われることも覚悟の上で、私はできるだけ勤務時間通りに帰ることを勧めます。
早く帰ることを何度も言います。早く帰るというのは、遅くて6時です。
それまでに帰れないようであれば、何かがおかしいのです。
■何故、早く帰れないのでしょうか。
仕事の量が多すぎるのでしょうか。仕事の手順が悪いのでしょうか。
量が多すぎたり、手順が悪いとどうしても時間がかかります。
■私は、仕事を頼まれたときほとんど断らない主義です。
頼まれたら、ほとんどを引き受けてきました。
若いときから、毎日少年団の指導も行い、研修のチーフを長年任され、毎日のように学級通信などの文章を書いてきました。
仕事の量は多かったと思います。
それでも7時過ぎに帰ったことはほとんどありませんでした。
要は、仕事の手順の問題が大きいのだと思います。
■テストの丸付けを家でやったことはほとんどありません。
そのテストの時間内で行います。
教務手帳に点数を写すのは、5分休みの時間です。
家庭学習などのノート点検は、給食時間や授業時間の中のちょっとした隙間時間です。
そのわずかの時間を利用して赤ペンでコメントしていました。
学校の大方の仕事が終了しなければ、少年団の指導へは行きませんでした。
少年団の子どもたち自身で練習できることをメニューの最初に仕組んでいました。
自分たち自身で練習できるようになることも、強くなるためには必要なことだと私は考えていました。
6時前に練習を終了させ(子どもが家族とともに夕食を食べられる時間までに帰すことは、大変重要なことです)、私はすぐに帰宅します。
夕食を終え、学級通信を書きます。
家で学級通信1枚書くのに約40分。(学級通信1枚書くのに、1時間以上かかるのならそれは時間をかけ過ぎです。)
その後、研修通信や提案文書などを作成していました。
このように書くと、すごい教師のように思うかもしれませんが、家ではゴロゴロしながらテレビを見たり、本を読んだりすることを途中に入れながらやっていました。
時には、途中で寝てしまうこともありました。
心身ともにリラックスした状態で何かを思考するということは、私には家でしか考えられませんでした。
■学校という職場に長くいればいるほど、緊張感は続くことになりますから、心身がいつのまにか疲れていきます。
その時はいいかもしれませんが、年をとってきてからの反動は大きいものとなります。
■仕事の手順ということでもう少し考えてみます。
仕事の手順が悪い人には、共通したことがあります。
それは、頼まれてもすぐにやらない。行動しないということです。
「時間ができたときにやろう」「もう少し考えてから取り掛かろう」等と考え、行動にすぐうつそうとしないのです。
じっくり考えたからといって、それほど凄いことが出来るかというと、そんなこともありません。
その場、その場で決断をし、さっさと物事を処理して言ったほうが時間が浮いてきます。
また、忘れてしまうことも少なくなります。
≪次号へ続く≫