【雑誌原稿】学び合い育ち合う学級づくりのポイント ~「模倣」の観点をイベントづくりに取り入れよう

【解説】令和3年12月23日記 

この原稿を書いたとき、娘は小学校5年生であった。

それから約20年がたって、娘は社会人となっている。職業はデザイナ。主にデジタル機器を使ってのデザインをしている。インスタのフォロワーは1万人を超えている。

当時は、パソコンについていえば子供に使わせるのはいかがなものかみたいな風潮があった。

私自身もそれなりに危惧もあった。

しかしどうだろうか。

今や娘はデジタル機器を文房具のように使いこなし活動の幅を広げていっている。

【初出】平成16年

1 真似することがきっかけとなる

私の小学五年の娘は、キーボードを見ないでローマ字入力ができる。いわゆるブラインドタッチである。

このことは、いまどきの小学生ではきっと珍しいことではないだろう。

私の娘が、ブラインドタッチができるようになったのは、私が教えたからではなく、TOSSランドにある「ゆびまるくん」のおかげである。

小学四年生まで、ひらがな入力で文字を打ち込んでいたが、「ゆびまるくん」でローマ字入力に興味を示し、あっという間に上手になった。

娘は、自分で作成したホームページをインターネット上にアップしている。私は一切アドバイスも手伝いもしていない。

私の妻がホームページ作りに興味を持ち、毎日のように作成に励んでいたのを娘も見ていて、自分も作成してみようとなったようである。

娘は、自分のホームページで何をしているかといったら、掲示板を開設し、そこに自分で作成したイラストを掲載し、何人かの仲間と交流している。

もちろん、自分のイラストも掲示板以外に載せ、感想をメールでもらったりしている。

イラストも最初のころは、下手であったが、さまざまなイラストをホームページで見つけ出し、自分の気に入ったイラストの真似をしながら描いている中でずいぶんうまくなった。

学校で娘は、イラストを描いたりすることで友達と休み時間過ごすことが多いらしい。

友達もイラスト好きが多く、友達と共に学級の中に「イラスト委員会」という係り活動を設け、活動している。

時には、学級の中で「イラストコンクール」を開催しているらしい。

娘は、学級の友達の描くイラストに刺激を受け、自分ももっとうまくなりたいと、インターネット上でセミプロの描くイラストの技を盗み、自分の描くイラストに生かしていっている。

そして、それをホームページにアップし、家に帰ってきてからも学級の友達や以前いた学校の友達と交流している。

現在では、娘のホームページにアクセスしてくる人は、娘の友達だけでなく、見ず知らずの人もやってくるのだという。

私は、そんな娘の様子を見ていて、心配になる。しかし、娘は、一応ネチケットもインターネットの怖さも知っている。それは、学校で総合の情報の時間に教わっているからである。

学校では、フラッシュというソフトを使って、簡単なアニメ作りも教わっているので、娘はそれもできるようになった。

娘は、私の妻のホームページづくりを真似した。

より上手なイラストを描くことはインターネット上にあるイラストを真似した。

「真似すること」がきっかけとなって、娘はイラストに興味を持ち意欲的になっている。そしてそれは、学級内外において友達との交流をも活発にしている。

 

2 真似をさせ、あとは子どもに任せる

イベントをするとき、子供たちに企画案を立てさせたい。企画案を立て、学級全体で話し合うことで、自治の精神が育っていくからである。

しかし、子供たちは企画案を立てることができない。企画案そのものを知らない。

そこで、前の学年を担任したときの子ども達の企画案や向山洋一氏の学級のイベントを実施するときの企画案を見せる。

「真似をして書いてごらんなさい」

これだけでも子ども達は、一生懸命に書いてくる。

しかし、最初の頃、一生懸命真似をするが子ども達の立てた企画案では必ずといっていいほど漏れが出る。

教師は、そのことを指摘する必要は無い。

「よくがんばったね。すごい。最高だ」

そして、子ども達に話し合いをさせる。

話し合いをさせるが話し合いにはならない。何を質問していいのか、わからないからだ。そこで次のようにアドバイスする。

「先生がいなくても、この企画案でイベントを実行できますか。どんなにつまらないことでもわからないことがあったら、質問してごらんなさい」

最低限、企画案には「何を(種目)」「いつ(日時)」「どこで(場所)」「誰が(担当者)」「どうする(準備等)」が書いてなければならない。

最初の企画案では、それらのうちのどれかが抜け落ちてしまうのである。

しかし、学級全体で話し合うことで、それが見えてくる。気が付く。

真似をするけど不備がある。不備な点を自ら気が付き、訂正していく。そこに学びがある。

もしこれが最初から子ども達にまかせていたら、そうはならない。企画案そのものもわからないし、どんな項目で立てたらいいのかわからない。最初から子ども達の意欲減退である。

イベントづくりの最初、真似させるだけでなく、真似したいと思わせることも大切なことだ。

剣玉を教師が持ち込む。子ども達の前で演じて見せる。教師の姿を見て、子ども達もやってみたい、真似したいと思う。

子どものやってみたい、真似したいと思う気持ちが次へのエネルギーとなる。教師は、環境作りにも徹すればよい。時折、「どうだ、こんな技はできないだろう」と挑発すればよい。

真似させる。もしくは真似をしたいと思わせる。そして、後は要所要所で指導する。それ以外は子どもに任せる。為すことによって学んでいくのである。それがイベントづくりを通して、学び合い育ち合う学級づくりをするポイントである。

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