【生徒会誌】西のオアシスを目指そう!

【解説】令和5年1月10日記

中学校の多くでは生徒会誌を年度末に出している学校も多くあるのではないでしょうか。

冬休み前になると、生徒会役員が校長室にやってきて、

「校長先生、生徒会誌の原稿書いていただけるでしょうか?」

と依頼にやってきます。

当然、生徒会誌を読むのは生徒ですからそれにふさわしい内容でなければなりません。

今回のは、校長講話で話した内容について文章で表現し、生徒たちに伝えたものになります。

※初出 平成28年3月

喜多川泰さんという方がいる。大学を卒業後、塾を立ち上げた。その塾の中で、さまざまな子どもたちに今よりよりよくなってもらいたいという願いで、塾で教えている最中に、さまざまな話をしてきた。するとその子どもたちには大好評で「先生、それ本にして多くの若者に知ってもらったらいいよ」と言われる。

そこで、喜多川さんは小説を書くことにした。子どもたちの能力を最大限に発揮してもらう自己啓発の本を執筆することにしたのである。喜多川さんの書いた本の中に『賢者の書』というのがある。

三学期の始業式で、その『賢者の書』の中に書かれてあったことを中央中のみんなに紹介した。それが「東のオアシス 西のオアシス」という話である。

 

■東のオアシスには800名の人たちが住んでいる。

その東のオアシスに住むためには一つのルールを守らなければならない。

そのルールとは「自分の幸せのみを切に願い、ひたすら自分が楽しく、過ごしやすく生きるために、自分の幸せにしてくれるものだけを探して生きる」というもの。

 

西のオアシスには200名の人たちが住んでいる。

東のオアシスと同じように住むためには一つのルールを守らなければならない。

そのルールとは「他人の幸せを切に願い、ひたすら他人が楽しめ、他人が過ごしやすく生きられるように、他人を幸せにできることだけを探して生きる」というもの。                     ■

 

この話をみんなは覚えているだろうか。中央中のブログでも紹介したので、もしかしたら覚えている人も多いかもしれない。

私は全校のみんなに「さて、皆さんだったらどちらのオアシスに住みたいですか」と問いかけた。これを読んで今一度考えてみてほしい。自分の幸せを願う東のオアシスに住むのか、他人の幸せを願う西のオアシスに住むのか。

多くの人は、まずは自分の幸せと願うだろう。その後で他人の幸せだ。

しかし、喜多川さんの論は違う。しかもわかりやすい。

私は、全校のみんなに『賢者の書』に書かれてあることを読みあげた。。

 

「西のオアシスに住んだほうが幸せになれるのは明らかだ。

理由はいたって簡単だ。

東のオアシスに住めば八〇〇人の中で自分のことを幸せにしてくれようとするのは自分一人しかいない。

しかし、西のオアシスに住めば、自分のことを幸せにしようとする人が一九九人もいることになる。絶対的に西のオアシスのほうが幸せになれるはずだよ」

 

そして私はみんなに次の話をした。

 

三学期、中央中を西のオアシスにしよう。

二一六名の全校生徒全員が、みんなの幸せを切に願い、行動をしたら、素晴らしい学校になる。

卒業式、修了式の別れまで、みんなが他の人の幸せを願うならば、二一五人分の力が加わり、今よりもっともっと一人ひとりが幸せになれる。

 

そんな話をして終わった。

 

日本人は、昔から「和」を大切にしてきた。自分を抑え、人のために尽くすこと、そして人と人との争いごとを極力避け、みんなと仲良く暮らすことを伝統としてきたのである。災害があっても、規律正しく行動し、自分の番が来るまで不平不満を言うことなく行列も厭わない。そんな精神性をDNAとして遺伝子の中に組み込まれているという。

中央中のみんなには、是非、西のオアシスに住む住民となってほしいと願っている。

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