【学校便り】いじめ発見チェックシート(10の観点)

【解説】令和4年10月6日記

令和2年度におけるいじめ認知件数は517,163件です。これは小中高そして特別支援学校を含めた数値となっています。

児童生徒の割合で言うと、1000人当たり39.7件。100人で約4人。一クラス1名から2名の子供たちがいじめにあっているということを意味しています。

決して見過ごしてはいけない数値ですし、その裏にはきっと深刻な事例が含んでいるのではないかと思います。

学校が安全安心な場所であり、誰からも信頼される場所であるためには、このいじめに対してどのような対応をしているのかということが問われます。

以前とは、いじめの質が変化してきていますから、一昔前のいわゆる「いじめ」のイメージにとらわれることなく、子供が人間関係において心身に苦痛を感じていないかということを敏感に察知するシステムが学校の中にあるかが大切になっています。

※初出 平成27年11月30日

「あなたは、ことし4月から今日まで、いじめられたことがありますか。」

◆この問い掛けは、毎学期実施している「いじめ調査」の冒頭での設問です。この設問にもし「ある」と答えた生徒がいれば、すぐに面談し、具体的なことを話してもらえる範囲で聞きます。そして、できるだけ早く問題を解決する手助けをしています。

 

◆現在のところ、本校では調査のたびに、何件か「いじめがある」と答える生徒たちがいますが、早期に対応し解決を図っていますので、「いじめはない」と判断しています。しかしながら、人間関係・友達関係は、時間と共に変化していきますので、現在仮に「ゼロ」であったとしても、今後も「ゼロ」であり続けるとは限りません。また、そのときに解決したと思っても、違った形で問題となることがありますので、決して安心してはいけないのが、この「いじめ」問題だと考えています。

 

◆「あなたは、ことし4月から今日まで、いじめられたことがありますか。」と聞いて、全ての生徒が正直に答えてくれるとは思いません。もしかしたら、現在の「友達関係」を壊すことを恐れて正直に話してくれないこともあります。また、「自分がいじめられている」と親が知ったら、心配をかけてしまうと思って話さないことも考えられます。ですから、この「いじめ調査」では次のことも聞いています。

「あなたは、4月から今日まで、友人がいじめられているのを見たり、聞いたりしたことがありますか。」

◆これは、本人が自己申告するだけでなく、周りの生徒たちの手助けも借りて、いじめを発見し、いじめを解決しようと考えての設問ということになります。

◆このように学校では「いじめ調査」を実施して、生徒たちをいじめから守るということをしていますが、これだけでは決して万全とはいえません。いじめが深刻になればなるほど、表面化しないということが起きるからです。そして、表面化したときには最悪の結果になって取り返しのつかない状態になっていたということもありえることです。

 

◆ご家庭向けに「いじめ発見チェックシート(10の観点)」というのがあります。

①登校時に体の不調を訴え、登校を渋るようになった。

②理由のはっきりしない衣服の汚れや破れが見られることがある。

③理由のはっきりしないあざやけが(殴られた跡)がある。

④持ち物(学用品や所持品)がなくなったり壊されたりしている。

⑤今までより外出を避けるようになる。

⑥部屋に閉じこもりがちになる。

⑦家族との会話が減ったり、学校の話題を意図的に避けたりする。

⑧いじめの話をすると強く否定する。

⑨仲のよかった友達との交流が極端に減り、友達からの電話に出たがらなくなる。

⑩お金の使い方が荒く、無断で持ち出すようになる。

※日本教育新聞から

◆いじめ解決のポイントは「早期発見・早期対応」です。ともかくできるだけ早くに発見し、事実を確認し、事実に基づいて解決してあげることです。

 

◆当然、学校でも全力を上げて「いじめ問題」に対応していますが、是非ご家庭でも上の「いじめ発見チェックシート(10の観点)」を参考にされてみてください。そして、一つでも該当したり、心配なことや不安なことがありましたら、遠慮せず担任までご相談ください。また、正直ちょっと担任には相談しづらいということがあれば、他の教職員、教頭や校長までご連絡下さればと思います。

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