【学校便り】1年間のご支援・ご協力に感謝申し上げます
【解説】平成30年10月19日記
1年間の最後に書いた学校便りになります。中学校の校長として初めての1年でした。小学校とは違った大変さがありました。学校経営には2つの要素があります。一つはビジネスの世界にもあるいわゆる「経営」です。教育の世界では、これだけあっても駄目です。もう一つの要素、つまり学校経営には教育者としての「教育指導性」があるということです。校長には優れた経営者であるとともに、優れた教育者としての指導性が必要となります。
私には、長年培ってきた小学校教師としての指導性はそれなりにあると思っていますが、中学校は試行錯誤の日々であり、教育の指導性に欠けることがあったのではないかと思っています。それでも何とかやれたのは、周りの方々の支えがあったのだと思います。
※初出 平成25年度 学校便り
◆平成25年度の上西春別中学校の教育活動が修了します。この1年間、多くの方々の支えと励ましで、何とか無事に終えることができそうです。生徒たちは、保護者の皆様方や地域の皆様方に支えられているという中で、学習や生活、そして部活動等でがんばりとおすことができました。本当にありがとうございました。
◆昨年の4月、3年ぶりに上西中に戻ってきました。多くの方々から、「お帰り」「待っていたよ」等と温かい言葉をかけていただき、身の引き締まる思いで教育活動をスタートさせました。どのようにしたら今まで以上に生徒たちを成長させることができるのか、全職員とともにそのことを考え、実行してきました。この一年間を振り返ってみると、成果が着実に上がったこともあれば、「もう一歩」ということも正直に言ってあります。
◆年度当初、昨年度の反省を踏まえ、「学力に責任を持つ学校」「当たり前のことが当たり前にできる学校」「地域とともにある学校」の3点を重点に掲げ、学校経営を推進してきました。
◆昨年5月、保育園・幼稚園・小学校、そして中学校の学校関係者評価委員が一堂に会する会議で、私は前述した3点の重点を発表させていただきました。質疑応答の折に、ある評価委員の方から、「校長先生。校長先生は、学力に責任を持つとい うけれど、今までも学力向上ということを何度もいろんな校長先生から聞いてきました。しかし、何も変わらないのではないですか。責任という言葉は重いですよ。学力に責任を持つというのはどういうことですか?」
◆とても厳しいご意見をいただきました。厳しいですけれど、それは私にとって、大変ありがたいアドバイスでもありました。戒めの言葉となりました。その言葉を常に心に留め、上西中生徒の学力向上に、全職員とともに取り組んできました。
◆「責任」という言葉は極めて重い言葉です。世の中で何か問題や不祥事が起きると、その企業や組織のトップの方が「責任を感じています」「遺憾に思います」等とおっしゃり、私たちも何度も耳にし、「責任」というのはどこか軽くなってしまった感もあります。
◆評価委員の方がおっしゃったように、「責任」という言葉は、本来はとても「重い言葉」なのです。昔でいえば「責任を感じるなら、辞表を提出しろ」とまで言われるくらい重い言葉です。私は、「学力に責任を持つ学校」という重点を掲げたとき、当然その重さを知っていました。あえて「責任」という言葉を使うことで、学力向上への強い決意を示したかったのです。
◆この1年間で、学力の伸びた生徒もいれば、残念ながら伸ばし切れなかった生徒もいます。学校として、一人残らずすべての生徒の学力を伸ばしきれなかった責任を感じています。「次年度こそは」という思いでいます。
◆学校としては、決して努力をしなかったわけではありません(言い訳のように聞こえますね)。小学校とは違って、やはり中学生は将来自立していくためには自主的な力を身につけさせる必要があります。学校としては、生徒の自主的な取り組みが少しでもできるように、いくつかの工夫をしてきました。しかしながら、まだまだ不十分な点もあります。今後は保護者の皆様方のお力を借りることもしながら、生徒一人ひとりに学力保障していきたい、特に社会に出てからも困らないような「読み・書き・計算」に代表されるような基礎学力の保障をしていきたいと考えています。
◆生徒たちは、毎日、毎日、大変落ち着いた学校生活を送っていました。大きな問題行動もなく、明るく、素直に成長しました。この成長の陰には、保護者の皆様方のご家庭での愛情豊かな教育がしっかりとなされていたのではないかと思います。次年度も、どうぞよろしくお願いいたします。