【PTA文集】はじめてのスキー教室

【解説】平成30年9月28日記

教頭になって、知床半島にある羅臼町の本町からまだ奥にある小さな学校に転勤しました。漁師町です。家族4人で引っ越しをしました。自然環境はとても厳しいものでした。しかし、家族にとっては大変思い出深い地となりました。家族でスキーを楽しむこともできました。そんなエピソードを当時のPTA文集に父親という立場から書いたものです。

※初出 平成12年 PTA文集

「エッ-、ウソだろう」

最初のスキー教室で私は驚きました。初めて第一リフトから降りたとき、下の第2リフトのあたりまでスキーで滑っていくのにあまりの急斜面で驚きました。

「これじゃ、私みたいなスキー初心者は、この羅臼スキー場では滑れないよ」

ともかく、足を大きく開きゆっくり滑っていくことにしました。本当は格好良く滑ってみたいと思っていました。悲惨な格好を他人には見せられない、そんなことも思っていました。

しかし、そんなことは構っていられません。第二リフトのあたりまで行くのに、命がけです。足を広げてなら、曲がることは何とかできましたから、ゆっくり曲がりながら滑り降りていきました。

その日のスキー教室は、風も強く、地吹雪状態のときもあります。前が白くなって見えないことも何度かありました。

第二リフトで上まで行かず、そのまま下まで降りてくることにしました。平らなところをゆっくり来ると、なかなか下のほうが見えません。

「そんな馬鹿な」

いきなり急斜面なのです。体全体に妙な力が入ります。口の中が乾きます。心臓はドキドキ。

しばらくして勇気を振るって降りることにしました。超斜めに滑り、曲がります。その曲がる瞬間、スピードが何故か出ます。

隣を悠々と相木会長が滑ってきます。山倉さんも颯爽と滑っていきます。私は、へっぴり腰で足を大きく広げながら、今にも転びそうになりながら滑りました。

家族でスキーを練習することにしました。金山スキー場にも二回程行きました。娘のさつきとなつみは、どんどん上達し、二回目には一人で金山スキー場の第一リフトの上から滑ってくることができました。

私も、努力のかいがあってか、それなりに滑れるようになりました。それなりに滑れるようになると、スキーが楽しくなります。もっともっと上手に滑るようになるためにはどうしたらよいのだろうかと、本などで勉強することもするようになりました。それが、今年一年目の私のスキー上達への挑戦でした。

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