【校長会誌】学び続ける学校

【解説】平成30年9月28日記

校長になってすぐに、学校の責任者として1年間の方針を伝える場面があります。そこにはやはり今までどのような教職人生を歩み、何を学び、何を身に付けてきたのかということの試される場でもあります。決していい加減に、前年度踏襲というような形にはしたくありませんでした。その考え方が伝わる文章が以下のものです。

※初出 平成22年 校長会誌

着任して早々に職員会議がある。職員に何を語りかけるのか。この一年間の方向性を決してしまうような重要な場面である。前年度の教育方針や重点を踏襲しますと言うのか、自分なりの考え方を語るのか、頭を悩ます。

その結論は、本校の原点である教育理念に立ち返るということだった。それを自分なりに解釈し、自分の言葉でまず職員に語りかけること、それを自分に課すことにした。

本校の教育理念「一人ひとりの子を大切にし、その成長に責任をもって教育にあたる」これに私は次の言葉を付け足し、教師側の決意を明確にした。「どんな子でも大切にされなければならない。どんな子だって成長させなければならない」

その上で、学校テーマを伝える。これは教育理念を常に念頭に置きつつ実践し、教育方針、教育重点を達成するために必要とされる問題意識の言語化と全教職員の共有化を図ったのである。それが「学び続ける学校」である。

職員会議で教職員に次のことを語る。

「荒れ狂う子どもを目の前にした時、眠れぬ日々が続くこともあるでしょう。教師として自分の未熟さを痛感し、私ごときが教壇に立っていいのだろうかと悩む日もあるでしょう。そのことは校長としての私も同じです。だからこそ、学び続けなければならないと考えます。是非、先生方、私と一緒に価値ある教師を目指して学び続けましょう。」

それが新米校長としての出発点となった。

 

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