【学級通信】多数決では決まらない

【解説】平成30年8月12日記

学級経営のポイントの一つに、どのような授業を組み立てるのか、ということがあります。ともすれば子どもたちは人数の多い方に流れてしまうという傾向があります。「できる子」「力のある子」の意見になびく。そのような授業ばかりしていると、子どもは固定的な見方になってしまいます。そこからあきらめが生じ、前向きな努力する姿勢が失われてしまいます。

授業では、「多数決では決まらない」「自分の頭で考えたことを主張してみる」ということが必要です。それも子どもとの出会いの当初から仕組むことです。今回紹介するのは、4月子どもとの出会いの授業について学級通信に書いたものです。

※初出 平成14年4月 学級通信

★その学年のそれぞれの教科の最初の授業を教師の間では、「授業びらき」とよんでいる。

「授業びらき」では、その教科で教師の教えたいことが象徴的にあらわれるという。

算数の「授業びらき」については、この通信で簡単にお知らせした。

今回は、理科についてお知らせしたいと思う。

6年の理科での最初の単元は、「ものの燃えかたと空気」である。

子供たちに次のような問題を出した。

 

燃えているろうそくにビンをかぶせたらどうなるか。

①消える。

②変わらない。

③ほのおが小さくなる。

④その他

 

子供たちは、わからない、という。

私は、黒板に「よそう」と書いて子供たちに逆から読ませた。

つまり、「うそよ」となるわけである。

子供たちから笑いが起きた。

「間違えてもいいのですよ。予想ですから、うそでいいのです。まー、気楽に予想して下さい」

子供たちの予想が終わったところで、どの考え方を支持するか、手を上げてもらい、人数把握を行なった。

「①消える」と支持した子が圧倒的に多く、16名の子であった。

「③ほのおが小さくなる」が2名。「④その他」が1名であった。

そこで、教師が実験してみることにした。

ビンをろうそくにかぶせる。

子供たちがろうそくに集中する。

徐々にろうそくの火が小さくなり、最後には消えた。

この実験だけで終わったのでは、「授業びらき」にはならない。

多くの子が支持したことが実験した結果でも同じだったというのではおもしろくないのである。

つまり、学問の世界では「多数決はなじまない」ということを教えたいのである。

そこで第2問である。

 

ビンの中にろうそくを上から入れていったらどうなるか。

①消える。

②変わらない。

③ほのおが小さくなる。

④その他

 

先程と同じように人数把握を行なった。

「②変わらない。」が一番多く17名であった。

「①消える。」「③ほのおが小さくなる。」が、それぞれ1名ずつであった。

そこで実験をしてみる。

なかなか変化は起きなかったが、しばらくして炎が小さくなってきた。

私の考えでは、本当は消えるのだが、なかなか消えない。

ほんのわずかだが火が残っているのである。

私は、ちょっとあせってしまった。このあたりははっきり言って私のミスである。

ともかく、「①消える。」「③ほのおが小さくなる。」という二つを正解にすることにした。

これを支持したのはわずか2名であった。K君とY君である。

みんなからは、「へー、すごい」という声が上がっていた。

多数決では決められないということは、自分の頭しか信じられないのである。それが自立への第一歩である。(ちょっと大げさかな)

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