【学校便り】「夜は遅くとも11時前には寝るようにしよう!」
【解説】令和元年9月11日記
この月に書いたのは、睡眠の大切さである。子ども時代、成長期における睡眠の大切さは、多くの方が言っているとおりである。ところがなかなかそれができない。それでも、やはり子供たちには睡眠の大切さを訴えていかなければならないと感じていた。そして、できるだけ科学的な根拠をもとにして訴えていきたい。それを書いた学校便りである。
※初出 平成26年6月号
◆小学生の頃、私は午後9時前には寝ていました。中学生になってからは、午後10時前には寝床に入っていました。母親に言われたから、そうしたということではなく起きていられなかったのです。今の子どもたちと較べたら、私は「早寝」だったと思います。
◆中学から高校にかけて、友達と「昨日、何時に寝た?」というのがよく話題になりました。「俺は、12時まで起きていた」とか「遅くまで起きていて、テレビをこっそり観ていた」等、遅くまで起きている友達が、学校の仲間からある種、羨望のまなざしで見られたものです。遅くまで起きていることが、大人に近づいた証明なのだという感じでした。反対に、私のように早く寝る男は「オコチャマ」なのだというわけです。
◆私も、他の友達が「羨望のまなざし」で見ていたと同じように、遅くまで起きている友達をうらやましく思ったものです。「自分も、もっと遅くまで起きていたい」「ラジオの深夜放送を聴いてみたい」等、夜更かしへの憧れがありました。
◆しかし、起きていられないのです。体が受け付けないのです。大晦日、紅白歌合戦を最後まで寝ずに観る、という目標を立てても、いつの間にかテレビの前で寝ていました。また、何とか目を覚ますと、既に紅白の勝敗は決していて、静かなお寺の様子が映し出される「行く年来る年」が始まったりしていました。そして、深夜0時頃に寝ると次の日の元旦は間違いなく遅くまで寝ていて、起きたとしても午前中は頭の中がボーとした状態になりました。
◆「遅くまで起きていること」も「睡眠時間を短くすること」も、私の体が受け付けませんでした。今から思うと、このことは私にとって幸いだったなと思います。現在、子どもにとって睡眠の大切さが強く言われるようになってきました。例えば次のような主張があります。
◆「睡眠は子どもの『脳を創り、その働きを守る(維持する)』大切な時間です。夜間の基本睡眠時間、リズム・質、時間帯を整えることが大切で、『ただ眠りさえすればよい』という単純な問題ではありません」(三池輝久著『子どもの夜ふかし 脳への脅威』より)
◆本の中の一説ですが、子どもにとっての睡眠の大切さについてご理解いただけるかなと思います。さて、下にあるレーダーチャートは、この4月全校生徒に生活習慣のチェックをした結果をまとめたものです。
※レーダーチャートは略
◆「4.0」に近ければ「良好」、「0.0」に近ければ「悪い」と判断できます。一番最初に気がつくことは、「運動量(毎日どれくらい運動しているか)」「運動頻度(一週間に何回くらい運動しているか)」の項目が悪いということ。つまり「運動不足」の生徒が多いということを意味しています。
◆次に気がつくことは、「就寝リズム」「目覚め」に課題があるということです。就寝リズムが悪いというのは、その日その日によって寝る時刻が決まっていないということです。早く寝るときもあれば、夜ふかしすることもある。結果、このことが目覚めの悪さにつながっているのではないかと推測できます。
◆前述した本の中に、「中学生以上は7時間半から9時間の睡眠をとらせよう」「朝7時より前に起きられるように入眠時間を調整しよう」という提案がされています。それを考えると「中学生は、夜11時前には寝るようにしよう」というのが、生徒たちの健やかな成長には必要なことだと思われます。是非、ご家庭での参考にしてください。