【学校便り】「おかげさま」

【解説】令和4年9月5日記

学校に地域の方からクレームが来ることがあります。

地域の方の多くが、我が町にある学校を誇りにしたいと願っています。

決して悪く言ったりしたくないものです。

ですから、学校に通う子供の悪い点、直してほしい点があったら、特に命にかかわりそうなことがあったら学校に一言言って何とかしてもらおうと思うものです。

私は、地域や保護者からの全う至極なクレームについては、きちんと正対し素早く対応してきました。

そして、それを学校便りで公開したり、相手先がわかる場合は電話をかけたりお宅に直接訪問したりしてお話を聞いたり話したりしてきました。

※【初出】平成27年7月23日

一学期も無事に終了です。

大きな事件、事故に巻き込まれることもなく、生徒たちの頑張りが伝わってきた学期でした。

もちろん、生徒間のトラブルや揉め事等も、それなりにありました。

しかしながら、生徒たちは何とかそれらを乗り越え、日々たくましくなってきました。

次のような詩があります。

   おかげさま

上所重助

 

夏が来ると「冬がいい」と言う

冬が来ると「夏がいい」と言う

太ると「痩せたい」と言い

痩せると「太りたい」と言う

忙しいと「暇になりたい」と言い

暇になると「忙しい方がいい」と言う

自分に都合のいい人は「善い人だ」と言い

自分に都合が悪くなると「悪い人だ」と言う

 

借りた傘も 雨が上がれば邪魔になる

金を持てば 古びた女房が邪魔になる

所帯を持てば 親さえも邪魔になる

 

衣食住は昔に比べりゃ天国だが

上を見て不平不満の明け暮れ

隣を見て愚痴ばかり

 

どうして自分を見つめないのか

静かに考えてみるがよい

一体自分とは何なのか

 

親のおかげ

先生のおかげ

世間様のおかげの固まりが自分ではないか

つまらぬ自我妄執を捨てて

得手勝手を慎んだら

世の中はきっと明るくなるだろう

 

「俺が」、「俺が」を捨てて

「おかげさまで」、「おかげさまで」と暮らしたい

「おかげさま」今は死語になりつつあるような言葉です。

しかし、「日本の心」が詰まったとても大切な言葉です。

いつまでも伝えていきたい言葉でもあります。

 

地域の方からお叱りの電話を受けました。

自転車の乗り方がなっていない!事故になったらどうするのだ、という内容です。

ごもっともです。

生徒の命に関わることです。

早速臨時全校集会を開いて、本校教頭と指導部長から生徒たちに電話の内容と自転車の乗り方について伝えました。

その後、再び地域の方から電話がありました。

今度はお褒めの言葉です。

「きちんと交差点で止まって、左右を確認して安全に自転車に乗っている」

ということでした。

生徒たちは、臨時全校集会での話をきちんと聞いて実践していたのです。

うれしいですね。

 

7月の3日間。

3年生の職場体験学習がありました。

町内の事業所さん等に出向いて実際に働かせていただきました。

全部で59の事業所さんにお世話になりました。

これだけの数の事業所さんにご協力いただける地域というのはなかなかありません。

心から感謝いたします。

ある事業所の方から生徒の働きの様子についてお話を聞きました。

「そのあたりを掃除しておいてと頼むと、大抵は指示された場所しか掃除しないものだ。しかし、彼は違った。指示された場所以上の範囲を一生懸命掃除していた」

というのです。

3年生のある男子生徒、指示された以上の働きができる。

それは「気づくことができる」という心が育っていることを意味しています。

立派です。

 

学校は、さまざまな方々に支えられていることを実感します。

「おかげさまで」1学期を無事終了できました。

明日から、27日間の夏休みに入ります。

事件・事故には十分気をつけて有意義な夏休みを!

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