【学校便り】「友人関係のトラブル」
【解説】令和5年4月24日記
子供の成長する過程においてトラブルはつきものです。
トラブルがあるから成長していくのだとも言えます。
この学校便りにも書きましたが、大切なのは「トラブルヘの対処方法」です。
それを教えてあげるかどうかがポイントです。
※初出 平成30年2月1日
◆思春期の中学生、友人関係のトラブルはつきものです。多くは、子ども自身が自分の力で乗り越えていくものです。しかしながら、なかなか解決できず、苦しい思いをいつまでも引きずるということもあります。そんな時、周りの大人のアドバイスや声掛けが問題解決のきっかけになることもあります。
◆以前、「家庭教育の大切さ」という観点から保護者の方々向けに私が書いた文章があります。「友だちとのトラブル トラブルの対処方法を教えよう」というタイトルです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
友だちとのトラブルの対処で大切なことは、トラブルを回避することではありません。
トラブルがあって当たり前なのです。
トラブルを乗り越えることが子どもの社会性を育てるのです。
トラブルをどのようにして乗り越えさせるのか、そこがポイントです。
そのポイントは、対処方法を根気よく教えていくことです。
子どもが友だちとのトラブルで多いことの一つに約束を破ったというのがあります。
「約束違反」は子どもの世界にとって絶対許せないことの一つです。
我が娘、学校から帰ってくると何やら不機嫌です。
しばらく様子をみていてもただ不機嫌なばかりで話してくれそうにありません。
そこで「どうしたの。何かあったの」と聞いてみました。
「Aさんなら、勝手なんだから。私と遊ぶと言っておきながら、私が行ったらBさんと遊んでいたんだよ。約束を破ったんだから」
約束違反によるトラブルの多くは、子どもの独占欲からくるものです。
相手の事情を考慮せず、ともかく約束を破ったという事実を怒るのです。
そこで私は聞いてみます。
「へぇーそうなの。約束を守らないのはいけないけど、何かの勘違いじゃないの」
私は、学級担任時代、よく「勘違い」「誤解」という言葉を使って事情を聞くことがありました。
「喧嘩の原因は、お互いに誤解があったんじゃないの」
「ちょっと勘違いがあったんじゃないの」
と言って事情を聞くのです。
「勘違い」「誤解」という言葉を出すと、それまで怒っていた子どもの表情が変化します。
怒り顔があれっという顔に変わるのです。
そこで誤解しそうな点を聞いていきます。
例えば約束の仕方。
子どもの約束は大雑把です。
自分が約束したと思っていても相手は約束したとは思っていない、そんなこともよくあるものです。
相手が約束を破ってしまった事情を推測して「もしかしたら、こうだったんじゃないの」と話して聞かせることも、私にはあります。
逆に子ども自身が約束を破ってしまうとき、相手に対して「約束を守れなくてごめんね」という謝りの電話などをかけることもなく、事情を説明することもありません。
例えば、家族で買い物に出かけることがあります。
そんなときに友だちから電話がかかってきたりします。
一緒に遊ぼうという誘いの電話。
誘いの電話に対して、我が娘は「今日は遊べない」と一言言って電話を切ることがありました。
「そんな言い方は駄目だよ。誘ってくれてありがとうと言って、何故、遊べないのかちゃんと説明しなさい」
しかし、一回言って簡単には直りません。
何度か同じようなことがありました。
その都度、きちんと事情を説明することが大切だということを話して聞かせました。
今から思えば、我が娘にとって、小さい頃は、事情を説明する必要性をわかっていなかったのかもしれませんし、説明するだけの言葉の能力もなかったのかもしれません。
しかし、何度もそんなことを繰り返しながら、友だちとの付き合い方を学んでいくのだと私は考えています。