【学校便り】「子どもに寄り添う教育」の大切さ
【解説】令和5年2月21日記
校長職最後の年度が始まりました。
校長職最後、つまり教員生活最後であり、定年退職の年度ということになります。
その最初の学校便りで書いたことが、「子供に寄り添う」ということです。
抽象的な言葉ですが、それを具体的にするということはどうすることなのかを書いています。
「子供に寄り添う」というのを今の言葉で言えば「個別最適」ということになるでしょう。
子供一人一人の個性や能力に適した教育をするというのは、今も昔も変わらない教育のポイントだと思います。
※初出 平成29年4月6日
◆昨年末に実施した学校アンケート(学校評価)に次のようなご指摘がありました。
「困っている」状態に気づいてあげてほしいです。問題が大きくならないうちに適切な言葉がけや、背中を押してあげるだけで、深刻な状態にならずにすむこともあります。(うちの子が今人間関係などで悩んでいるところなので、このようなアンケートの解答になってしまいました。生徒全体ではまた違うと思いますが・・・すみません。) |
保護者として、我が子について心配されていることや悩まれていることが伝わってきます。そして、私達教職員が心しなければならない点を、謙虚に書きながらご指摘いただきました。ありがとうございます。
◆今年度の教育をスタートさせるにあたって先生方にお願いしたことがあります。その中の一つが次のようなお願いでした。
生徒が困っていることがないのか、特に「いじめ的言動」には、アンテナを高く、敏感に。何かあるのか心配なことが感じられたら、見守ることも必要ですが、生徒指導部から提起されている共感的理解(話を聞いてあげる・積極的に事情を理解しようとするなど)の立場に立つこと。また、問題が起きた時には、家庭連絡も含めて、中央中のよさである、担当者だけに任せることなくチームとして素早い対応を今年度もお願いいたします。 |
このことを私の方から先生方にお願いしたのは、教育にあたる者として当然のことではありますが、前述の保護者の方からのご指摘をいただいていたということも私の頭の中にはあったということです。そして、中央中全教職員で再確認しておきたかったということです。
◆教育関係者の中で次のような言葉を使って話すことがあります。「子どもに寄り添った教育」とっても「きれいな言葉」です。「子どもに寄り添った教育をしたい」と言えば、誰からも批判されないような言葉ではあります。しかし、非常に抽象的な言葉です。具体的にどのようにすれば「子どもに寄り添う」といえるのかがわからないところがあります。「子どもに寄り添う」ということに関して私は次のように考えています。
人はさまざまである。さまざまな個性・特性・考え方・思い・願いを持った存在である。育てる保護者の考え方も含めて育つ環境も違っている。さまざまな個性を持った子どもをよりよく成長させるためには、その子の状況を十分に理解しなければならない。さまざまな観点から理解することを通して、その子に共感し、その子の抱える問題を共有すること。その上で、いくつもの制約が伴うにしても、原則その子にあった教育をしていくことである。それが子どもに寄り添う教育の本質である。 |
◆子どものよりよい成長のために、子どもの状況を十分に理解し、共感し、子どもとともに問題が解決できるようにしていきたいと思います。ご心配なことがあれば、学校までどうぞ遠慮されずご連絡ください。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。