【教頭通信】長期休業中の危機管理 校長先生の話から考える
【解説】令和4年11月29日記
この教頭通信を書いた当時は、「学校の危機管理」ということがあまり言われていない時代でした。
今から思えば何とも平和な時代です。
しかし、そうした中にあって危機管理のマニュアル化がどうしても必要だと私は考えていました。
この後すぐに北海道教育委員会の手引きを基に学校独自の手引書(マニュアル書)を作成しました。
作成後使われることはありませんでしたが、作成することで得た私の危機管理に関する知識や対応法は、その後私の財産となっていました。
※初出 平成12年8月19日
◆いよいよ本日から二学期が始まります。皆様、二学期もよろしくお願いします。
◆夏季休業中に先生方心身ともにリフレッシュできたでしょうか。
私も、一学期のことを反省し、いくつかのことを教頭としてやっていこうと考えています。
一つ目は、教頭としての職務を今一度認識し、それをいかに具体化していくかということです。
教頭の職務の1番目にあることは、以前にも書きましたが「校長先生を助ける」ということにあります。
そのことを私は、具体的に何をしてきたのかといわれたら何とも心細いなーとこの夏休み思いました。
そこで、私は次のことをしようと思います。
校長先生の朝の打ち合わせや職員会議等における発言を記録化し、校長先生の考え方や方向性が具現化できるように私なりの言葉でこの通信に書いていく。
こうすることで、少しでも学校がより良くなっていくことに貢献したいと考えます。
早速前日出勤のことから行ってみます。
◆朝の打ち合わせで校長先生は次のように言いました。
ご苦労様でした。
皆さんが無事に来たと言うことは、何よりです。
また、地域においても向もなかったというのは何よりです。
健康であること。そして、一人一人の命が無事であるということはとっても大切なことです。
長期休業中に私たち教師が、研修に励むために勤務地から離れられるのも、考えてみれぼ、平穏無事・健康安全に子ども達も教師も地域の人も過ごしているからです。
もし、そうでなかったらどうでしょうか。
例えば、大きな地震や土砂崩れなどの自然災害、学校や教員住宅から不審火、教師の中の誰かが交通事故でなくなる。
子どもや保護者が何かの事件や事故に巻き込まれ,命を落とす。
そんなことになったら、当然私達は勤務地に戻ってこなければなりません。
•ところが、私は教頭として考えました。
そうした長期休業中の不測の事態に対して、何らマニュアルができていないということにです。
例えば、大きな地震が起きたときのことを考えてみましょう。
まず、おおきな地震とは、震度いくつ以上から言うのでしょうか。
仮に震度5以上だとしたら、職員全員が学校に来ることを義務付けることになるでしょうか。
誰と誰が学校に来ることになるのでしょうか。
また、どの程度の損害で全員を召集することになるでしょうか。
そして、召集された職員のやるべきこととは一体なんでしょうか。
どこに連絡したらいいでしょうか。
以上のように、ともかくランダムに上げてもいくつもの考えるべきことが出てきます。
つまり、長期休業中における危機管理がマニュアル化されていない。
準備されていないということです。このことに気がつきました。
•校長先生が、皆さんや子どもや地域の方々の無事を本当に喜んでくれたということ。
これは「危機管理」という観点からしても、皆さんが心身ともにリフレッシュできるということは、何事もなかったからです。
そして反対に、教頭としてやはり危機管理に備えて、長期休業中の危機管理に関するマニュアル化をこの二学期中に整備しておかなければならないなと痛感しているのです。
何事もないうちに、手を打っておくことがどうしてもこれからの世の中は必要なんでしようね。