【学校便り】ガンジーの言葉から学ぶ「コツコツ勉強」「やり抜く力」
【解説】令和4年9月8日記
人様に努力の大切さを語れるほど、自分自身が努力を重ねてきたかと言ったら、そんなこともありません。
常に楽をしたい、手っ取り早く片付けてしまいたい、といった感情が優先します。
しかし、努力の大切さは知っているつもりです。
成功した人たちは、必ずと言っていいほど努力をし続けた方々です。
努力できること、努力し続けることも、もしかしたら才能なのではと思ってしまいます。
それであったとしても、子供たちに努力の大切さを伝えていくことは大切な教育の役割だと思っています。
※初出 平成27年9月30日
「善きことは、カタツムリの速度で動く」
これは、マハトマ・ガンジーの言葉です。
ガンジーについては皆さんご存知のように、インド独立運動の指導者、〝インド建国の父〟と言われています。
そのガンジーの有名な言葉の中に前述の「善きことは、カタツムリの速度で動く」というのがあります。
カタツムリの動く速度は、見た目にはわからないようなごくわずかなものです。
それでも、時間がたてば誰の目にも明らかに動いたこと、移動したことがわかります。
ガンジーは、インド独立のために非暴力を貫きながら約30年という長き年月をかけて独立を果たします。
その歩みは苦難に満ちていました。
しかし、ゆっくりゆっくりと前進し、最後には悲願であるインド独立を果たすのです。
現代社会において私たちは、ともすれば短時間に結果を求めがちになります。
効率重視スピード重視です。
この時代には、そのような雰囲気が充満しています。
私は、その効率やスピードを決して否定はしませんが、時には効率やスピードを求めるあまり忘れ去られているものや失われているものがあるのではないか、と振り返ってみることも大切だと思っています。
生徒たちは、勉強したらすぐに、テストの点数が伸びると思いがちです。
家庭学習でこれだけ勉強したのだから、明日のテストはきっといい点数が取れるはずだ。
しかし、自分が期待した以上には点数が取れないということもあります。
逆に悪くなったということもあるかもしれません。
勉強しても点数が伸びない、成績が伸びない、という経験をすると「自分はどうせ頭が悪いし、駄目なんだ」という諦めにも似た心境に陥りがちです。
親や教師が「勉強しないと、成績は伸びないぞ」とアドバイスしても聞き入れることも無く、逆に反発し、ますます勉強をしなくなってしまいます。
さまざまな職種の方と話す機会があります。
「あなたの会社では、どのような学生を採用しますか」と聞くことがあります。
すると大方は「我慢強い学生」「コミュニケーション能力のある学生」「まじめに努力する学生」等という返事が返ってきます。
勉強はそれなりにできればよいといった感じです。
「勤勉」という言葉があります。
日本人の特性・美徳として言われてきたことです。
この「勤勉」を、いつの間にか日本人は、恥ずかしいもの、古臭いものと考えるようになりました。
「勤勉であることはかっこ悪い」というわけです。
しかしながら、この「勤勉」というのが外国で見直されてきました。
それもきちんとした実験結果、根拠を持ったものとして見直されているのです。
人が成功する要因は何か。学校時代の成績なのか、それとも本来持っていた能力なのか、それを研究した学者たちがいるのです。
その学者たちの結論は、こうです。
「学生時代によい成績をとる過程で身に付けたまじめさ、計画性、やり抜く力等が、学校を卒業した後、人生の成功へと導いた」
というのです。
いわゆる「コツコツ勉強」する態度こそが成功への道だったというわけです。
生まれつきの能力ではなく、努力こそが人を成長させ能力を開花させていくのです。
日本の先人たちの多くが勤勉に働いてきました。
壊滅的な、しかも悲劇的な敗戦に見舞われても、先人たちは黙々とコツコツと日本の復興を願い、家族の幸せを信じ、ひたすら働いてきたのです。
「善きことはカタツムリの速度で動く」その時は結果が出なくても、努力をひたすら続けていれば、必ず何か善きことにたどり着くのだろうと思います。
自戒をこめて。