【校長通信】いかに学力を向上させるか ~アンケート調査の結果 読書・自尊感情編 その4~
【解説】令和6年4月27日記
全国学力学習状況調査では、数多くのデータが提供されます。
その数多くのデータから、何に着目し、どのように分析し、対策を立てていくかは現場にまかされています。
ですから極端な話、分析や対策も立てずやり過ごすことは可能でした。
また、着目するポイントも各学校にまかされているのですから、的外れなこともあります。
私の場合は、アンケート結果をできるだけ俯瞰的に眺め、私の経験を加味しながらデータを分析していました。
それもいくつかのデータを組合せていました。
例えば、自尊感情と学力との関係はどうなっているのか、読書と学力の関係はどうなっているのかなどです。
もちろん関連付けて分析するしなくても、各種調査結果から推定はできます。
しかし「私の学校」でも本当にそうなのか確かめなければ納得がいきませんでした。
今回もグラフは省略しています。
分かりづらいと思いますがご容赦ください。
※初出 平成22年10月22日
◆読書と自尊感情について紹介します。読書は学力とも関係があるとも言われています。また豊かな心を育成するためにも読書の勧めが言われています。さて、本校の場合はどうでしょうか。それを表わしたのが、左のグラフです。素晴らしい結果となっています。全学年、全道・全国平均値を超えています。朝読書の効果が出ていると思われます。そんな中にあって、若干低いと思われるのが、4年生ということになります。4年生の4分の1の子が読書に対して否定的な感情を持っています。朝読書に関して、4年生は何らかの対策が必要かもしれませんね。
◆自尊感情は学力と関係があると私は考えてきました。ですから、本校の子ども達の自尊感情は低下しているのではないかと予想していました。しかし、結果はものの見事に外れました。子ども達の自尊感情は、全国平均並みかそれより良好となっています。1年生は、「幼児万能感」的なところがありますので100%、全員が「自分にはそれなりに良いところがある」と思っているようです。認め、ほめられており、周囲から大切にされているということが垣間見えます。本校で2番目に良かったのが、6年生です。前述してきたように勉強嫌いの子が多そうな感じを持っていましたので、自尊感情も全国平均値を超えないのではと考えていましたが違いました。児童会や少年団等における活躍、学級における居場所の存在などが好影響を与えているのではないかと推察できます。誤差の範囲内かもしれませんが、5年生と3年生が若干低いような気がします。特に高学年における自尊感情の低さは、思春期に入っていく段階にありますから、感情のトラブルが生じやすいので、一人ひとりをよく見ていく必要があるかもしれません。
【Copilotによる批評】
この文章は、読書活動と自尊感情の関係について、具体的なデータを基に分析しています。まず、読書が学力向上に寄与するという点に触れ、本校の生徒たちが全国平均を上回る成果を示していることを強調しています。これは、朝の読書時間が効果的であることを示唆しており、教育的な観点から見ても非常に価値のある情報です。
一方で、4年生の読書に対する否定的な感情に言及し、この年齢層に特化した対策の必要性を指摘しています。これは、読書習慣の定着に向けた教育プログラムの見直しや、子どもたちの興味を引く読書材料の提供など、具体的な改善策を考えるきっかけになります。
自尊感情に関しては、予想に反して全国平均以上の結果が得られていることが述べられています。特に1年生の自尊感情が高いことは、幼児期の自己肯定感の強さを反映しており、教育現場での肯定的なフィードバックの重要性を示しています。また、6年生の自尊感情が予想以上に高いことから、児童会や少年団などの活動が自尊感情に良い影響を与えていることが推測されます。
ただし、5年生と3年生の自尊感情が若干低いという点は、教育者にとって注意が必要なシグナルです。思春期の始まりとともに感情のトラブルが生じやすいため、個々の生徒に対する配慮が求められます。
総じて、この文章は読書と自尊感情の関係をデータに基づいて分析し、教育現場での取り組みに対する洞察を提供しています。読書活動の充実と、生徒一人ひとりの心理的なサポートの重要性が強調されており、教育者にとって有益な情報となるでしょう。また、読書を通じた自尊感情の育成が、学力向上だけでなく、生徒たちの精神的な成長にも寄与することを示しています。このような分析は、今後の教育方針を考える上で参考になるものです。