【校長通信】「校長」を活用する

【解説】令和4年12月18日記

校長になってすぐに伝えたことが「当たり前のことは当たり前にできる」ということでした。

それは子供だけでなく、私も含めて職員にも心に留めておいてほしいことでした。

教師にとっての「当たり前」とは、「子供の側に立った授業をすること」ということでした。

そのためにも、校長という立場の人間を活用してほしいということでした。

着任早々、一人の先生から審査員を依頼されました。

願ってもないことでした。

※初出 平成22年4月12日

◆金曜日の職員歓迎会、お忙しい中、準備等大変ありがとうございました。おいしいお酒(I先生、高級なお酒ありがとう)、そして楽しい会でしたので、ずいぶん飲んでしまいました。次の日、歓迎会のこと、特に教頭先生の家に行ったあたりから、よく覚えていませんでした。もし、失礼な言動があったらお許しください。

◆その日、S先生から「月曜日に詩の授業、群読のコンクールをするので審査員になってください」と言われました。そこで、月曜日1時間目、6年生の教室に行きました。以下はその感想です。

◆読む詩は『純銀もざいく』 「いちめんのなのはな いちめんのなのはな」で始まる山村暮鳥の有名な詩である。何の下準備もなしで審査しようとしたので、的外れの審査になってしまったなと思っている。やはり、どんなことであれ、子どもの前に立つときは準備が必要だなと痛感した。

◆S先生は、このコンテストに当たって、審査のやり方のプリントを審査員の私やI先生だけでなく、子どもたちにも配っている。そのやり方として、「①自分達が、どんなところを工夫したか説明する。(○○○な様子を表現するのに、○○○な工夫をしました) ② -略―

発表の時、聞いている人たちは、それぞれのチームのいいところをメモする。 ③どちらが良かったか決定する。 ④ゲスト審査員の先生に、それぞれよかったところを教えてもらう。」と示している。

◆「これは、とてもいいやり方だな」と私は思った。特に(○○○な様子を表現するのに、○○○な工夫をしました)という言葉の定型を示して子ども達に取り組みさせたのは参考になる。子ども達に発表させたり、相互評価させるときには、観点を示すこと、特に言葉の定型を示し、取り組まさせることは有効な手法である。

◆また、子ども達には、グループのよかったところだけをプリントに書かせている。教師は、どうしても改善すべき点や直した方がいい点まで、子ども達に指摘させようとする。しかし、それはあまりいい結果を生まないことの方が多いものだ。それができるとしたら、指導する教師側である。しかし、例え教師側であったとしても、相当な配慮を要するということを考えておいた方がよい。

◆私の教師人生の中で、改善すべき点や直すべき点を示した印象に残る指導は次のような方法であった。

◆「今の発表のよかった点を言います。(個人名や具体的場面を示しながら)1つ目、・・・・。二つ目、・・・・。三つ目、・・・・。以上の点から、合格です。(間をおいて)そこで、もしもっと良くしようとするなら、次のことが課題になります。それは、・・・聞きたいですか。」と話して、たった一つだけを課題として示した方法である。たった一つだけだから、聞く。それも合格と認められていたから、もっと頑張ろうという気持になったのだと思うのである。

 

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