【学校便り】ブレークスルーは必ずやってくる

【解説】令和5年1月19日記

目標のない努力、見通しのない努力、夢のない努力というのはとても苦しいものです。

ところが、目標や見通しや夢があったとき、人というのは案外耐えられるものです。

苦しみも苦しみとは思わないものです。

そしてそれ以上に、楽しいと思えるのなら、それはその人にとって努力というものではなくなります。

楽しくて毎日練習をする。

目標も見通しも夢もないけど、やっていること自体が楽しい。

そんな感覚で私は生きてきたような感じがします。

※初出 平成28年7月1日

◆自転車に乗れない時、何度も練習します。後ろの荷台を親に支えてもらって練習したりします。転びながら、泣きながらも、何度も、何度も練習し、ある日突然自転車に乗れるようになっています。あれほど辛い思いをして練習に励んでいたことが嘘のように、それからは自転車に乗れます。水泳では25メートルが節目。25メートル泳げると初心者を脱したことになります。ところが、この25メートルが大きな壁となります。息継ぎができなければ、25メートルを泳ぎ切ることは、なかなかできないのです。何度も、何度も25メートルに挑戦しているうちに、ある日突然泳げる。その日が必ずやってきます。

 

◆考えてみれば不思議なものです。できなかったことができるようになるというのは、突然やってくる感じがします。もちろんできるまでには努力が必要です。毎日、毎日辛い練習を積み重ね、できるようになるその日を信じて練習に励むしかないのです。

 

◆毎朝7時から、NHKBS放送で「グレートトラバース 200名山一筆書き」という番組を見ています。多くの登山を愛好する人たちの憧れのプロアドベンチャーレーサー田中陽希さんが歩いて日本全国にある200の山々を踏破するというものです。山から山へ移動するのも歩きです。一日に二つの山を踏破することもあります。ある日の放送では、田中さんが下山途中で後輩のスキー部の学生たちに出会います。そして、質問されます。「練習が辛くて、息が上がってしまうとき、どうしたらいいでしょうか」田中さんは答えます。「練習は辛いものなのです。だけど辛いと思ってしまうと、伸びないんだよね。成果が出なくなってしまうのです」

 

◆これを聞いて「なるほど」と思いました。勉強も部活動も同じです。練習や努力することは辛いものなのです。だけど、辛いと思わないこと。それが成果が上がるコツだと田中さんは言うわけです。

 

◆私も、つい「仕事がうまくいかない」「やることが多すぎて、仕事が辛い」などと愚痴を言ってしまいがちな時があります。しかし、辛さの向こう側にある達成感は何物にも代えがたいものがあります。その辛さの向こう側がかすかにでも見えたとき、もしくは必ず辛さは乗り越えられると信じることができるとき、人は辛さを忘れ、人は前向きに努力できます。基本的に毎日努力することは楽しいと思えます。そして、毎日、コツコツと努力していると、必ず辛さというトンネルを抜け出るときがやってきます。目の前の霧が晴れるような感覚を味わうことができます。英語で言うところの「ブレークスルー」です。壁を突き抜け大きく前進するのです。

 

◆部活動に加入している3年生にとって、今週は一つの山場を迎えます。中体連全道出場をかけた大会があります。小さい頃から同じスポーツをやり続けてきた生徒もいます。中学校に入って初めてその種目をやりだした生徒もいます。どちらにしても、自分が取り組んできた部活動の節目となる大会です。今まで、生徒たちはきっと何度も「壁」を乗り越えてきたはずです。悔いのない試合であることを祈っています。

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