【校長通信】実態を把握し、次への解決策を立てる
【解説】令和4年12月23日記
人の説明や報告を受けても、私自身が実際にやってみたり、現場で見たりしないと納得できない性格が私にはありました。
「〇〇あたりの通学路が危険です」
と報告を受ければ
「それじゃこれから行って見てこよう」
そんな感じです。
今回の通信は、学校全体で音読の速度の基準を設けて取り組んでいたのですが、大人である教師がまずやってみて体で感じることが指導の基本ということを思い、まず私自身がやってみたということです。
※初出 平成22年4月27日
◆S先生が自己研修レポートを発行している。毎回、この通信を読んで刺激を受けている。特に特別支援にかかわる子どもたちへの指導や対応は、読んでいて勉強になる。「そういうことだったのか」「そうすればよかったのか」という思いで読んでいる。
◆さて、今回は何故か4月21日付の第3号が私の机の上に乗っていた。もしかしたら、この1枚を書くのにけっこう悩んだのではないかと思った。それともただの出し忘れか。ともかく、今回もこの1枚から色々と考えることができた。その中から一つだけ述べてみたいと思う。
◆本校の各学年における「読みの基準」が示されている。この基準を示しただけでも、野付小における今までの取り組みは素晴らしいことだと私は考えている。この基準から、さまざまなことを考え、学力向上に向けて取り組んでいけるからである。
◆2年生の基準は次のようになっている。
2年 その学期に学習した文章を30秒間に120字程度の速度で読めることを基準とする。 |
さて、「30秒間に120字程度の速度」とは一体どのくらいのスピードだろうか。これを指導者側が理解していなければ、子ども達に教えることはできない。そこで、私も校長室で試してみることにした。ちょうど「2年 その学期に学習した文章を30秒間に120字程度の速度で読めることを基準とする。」という文が、40字である。120字ということは、この文を3回、30秒間で読めばよい。腕時計を外して、チラッと秒針を見ながら、小さな声で読んでみる。やってみるとなかなか難しい。特に2年生の子たちの顔を思い出しながら、やってみると「何人の子が、できるのだろうか?」と思ってしまう。そして、6年生の基準は、次のようになっている。
6年 その学期に学習した文章を30秒間に240字程度の速度で読めることを基準とする。 |
30秒間に、この文を6回音読できないと基準に達しない。これはすごいことだ。理想は高いと言った方がいいかもしれない。しかし、このくらいのスピードで読めないと、黙読もできないだろうし、まして「読み取る」なんてことは、夢のまた夢という感じになるだろう。
◆さてそこで、自分の学級で、誰と誰ができるのか、誰と誰が基準に達していないのか。そして、その原因はどこにあるのか。実態と原因を把握していないと次の策を打てないことになる。例えば、授業の中で音読させる時間が不足しているから、○○君は基準に達しないのか。それとも漢字をしっかり読めないから、達しないのか。それとも何らかの障害を抱えているからなのか。その原因が特定できると、対策も立てやすくなる。対策を立て、実行すると、指導の結果としてどうなったのかを知りたくなる。この流れが指導力を向上させていくことにつながるのである。