【集団思考論】第09回 微妙な違いを検討する
子供の意見は様々ある。
子供の意見を取り入れて学級のめあてを一つにまとめていこうとすると、微妙な子供の考えの差異が埋もれてしまうことがある。
一つを選び出すということの方が子供が燃える。
私は、向山洋一氏がイベントを行うときの企画案検討の方法のすごさを思い知った。
向山洋一氏は次のように書いている。
「みんなの良いところを入れて、方針を作ってはいけませんか」
「それはいけない」と、私は答えた。
それでは、今までのことが無意味になってしまう。やり始めたことはやり通さなくてはいけない。 │
『4年の授業・4年の学級経営』 (明治図書)
特定の子が立てた企画案ではない。
みんなでよりよいものにしていきましょうと言って、付け足し、付け足しの企画案でもない。
六本の中から立った一本しか採用しないと言うことは分かっていても、子ども達は一生懸命になる。
もしかしたら、自分の案が採用されるかもしれない。
その魅力が大きいのである。
また、みんなで話し合うこと自体も楽しくなるのである。
この方法は、おのずと差異を明確にさせていく。
差異を明確にすると言うことは、良いところだけでなく、悪いところ・駄目なところも明確にしていく。
そうした話し合い活動になっていく。
ここの部分が子どもの思考を鍛えるのである。