【雑感】高齢者ドライバーは交通事故を起こしやすいのか
私たちは、高齢者ドライバーは危険だと思っています。
認知能力が衰えてくるのだから、交通事故も起こしやすい、と考えがちです。
そして、高齢者ドライバーが起こした交通事故がニュースになったりしていますから、そのように思い込んでいます。
しかし、それは本当でしょうか。
それを確かめるために、警察庁の発表している統計データを調べてみることにしました。
驚くことに、交通事故の件数でいうならば、16歳から24歳までのドライバーの方が、高齢者ドライバーよりも多いのです。
倍近く違います。
私たちは、高齢者ドライバーは危ないと思い込んでいないでしょうか。
確かに、街中で運転していて、「なにか危なかしいな」と思えるのは高齢者の方々が多いです。
しかし、私たちの多くが「自分の常識」の中で運転していて、自分の目から見て勝手に決めつけているのではないでしょうか。
例えば、制限速度40キロの道路で、40キロで走行している自動車を「なに、チンタラ走っているのだ!」と心の中でイラついてはいないでしょうか。
交通事故の数で言えば、私たちの中には「高齢者ドライバーは危ない」というバイアスがかかっていると言えるのかもしれません。
「だけど高齢者の交通死亡事故のニュースが多いじゃないか」と思う方もいるのではないでしょうか。
そこで、年齢別の交通事故死亡事故について調べ、それをグラフ化してみました。
ご覧の通り、死亡事故件数で言えば、確かに85歳以上がとても多くなっています。
グラフを見る限り、80歳前後から増加していると言えるようです。
それでも気になるのが、20歳未満の死亡事故が多いことです。
私の考えとしては、高齢者は認知機能や身体能力の衰えをカバーできる安全性能の高い自動車にすること、若者は交通ルールを守るという意識の醸成が必要なのではと思ったりします。