【自己研修通信】教育課程の大幅な修正と編成作業
学校教育は、計画的・意図的に実施されなければなりません。
それはどんな時にあってもです。
それができなければ、公的な教育機関としての責任を果たすことはできません。
さて、新型コロナウイルスによって臨時休業を行わざるを得なかった学校の教育活動は、年度当初構想されていた計画の大幅修正が必要とされています。
学校の教育活動のおおもととなるのは、教育課程ということになります。
この教育課程があることによって、学校の教育活動を恣意的・独善的なものから防ぐことができます。
各学校の教育課程は、子供たちや地域等の実態を踏まえて、学習指導要領をもとに各学校の校長が権限と責任をもって編成することになります。
さて、今後の教育課程をどのように修正し、編成しなおすのか。
基礎作業として時数計算をしてみます。
6月に学校再開が完全にできたと仮定します。
6月から3月まで、土・日・祝日を除くと206日あります。これなら大丈夫です。
ほぼ例年200日程度ありますから、例年通りにやることができます。
しかし、長期休業と年度末休業があります。
数えてみると、55日。
引くと151日です。
この151日全てを6時間授業とすると906時間となります。
例年と比較してみると、教科等の時数のみで不足は、1015-906となり、109時間の不足となります。
日数で言うと、約18日から19日分です。
つまり、教科等の授業時数を行おうとすると長期休業の夏・冬から10日分ずつ補う、つまり夏・冬休みを15日間にすると可能となります。
しかし、この中には学校行事等の時数は含まれていないので、学校行事をやろうとすると、教科等の時数か長期休業をもっと削らなくてはなりません。
さて、授業時数を満度にやろうとすると、6月から毎日6時間授業。そして長期休業を短くするということ。それが一つの方策ということです。
しかし、それに子供たちも先生たちも耐えられるでしょうか。
毎日6時間・長期休業の削減という方策は、きっと難しいと思います。
できるだけ子供の負担を軽減した方策が求められます。
また、再び新型コロナが蔓延したらどうなるでしょうか。
そのためにも、あらゆることを想定して、別の方策も考えておかなければなりません。
それは、行き当たりばったりの教育活動をできるだけ防ぎ、計画的・意図的に行うためです。
修正した教育課程を確定するためには、長期休業をどうするのかという以外にも、学校行事等を実施するのか、また平日の月から金までの授業時間をどうするのかという検討すべきことが出てきます。
もしかしたら、学校教育法施行規則で定まっている標準授業時数を確保すること自体に無理があるのかもしれません。
そのことまで踏まえて考えていかなければなりません。
どのような教育活動を今後展開していくのか、学校の力が試されています。