【集団思考論】第12回学級集団の教育力を利用せよ

前回の実践を振り返ってみたときに、問題解決のためのいくつかのポイントがあったことに気が付く。 

その最大のポイント、それは学級集団の教育力を利用しているということである。

そのために一人一人に発言させ、その後に手を挙げさせている。

発言させることで学級全体を当事者にした。

問題を学級全体で考えるという雰囲気を作った。

またもし、これが最初にいきなり「悪いと思う人は手をあげなさい」となっていたらどうだろうか。

トオルと仲の良い子は手を挙げなかったかもしれない。

そのために学級全体の世論は形成されず、分裂した状態が生じていたかもしれない。

最初に発言させること、しかもその最初に発言させる子を誰にするのか。

このことを考えることは、教師の指導の手を集団に入れるためにはどうしても必要なことであった。

また、もし私が集団の教育力を利用せず、トオルを問い詰めていたらどうだろうか。

トオルの受け答えに腹を立て、怒鳴りまくり、体罰を加えていたかもしれない。

集団の教育力を利用しようとしたことによって、私は冷静さを保つことができたのである。

※このような実践も、ICTを活用することでより効果的なものにすることが可能である。それについては別の機会に論じてみたい。

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