【連載15】ICT活用と知的好奇心 ~今や学校は「時代遅れの空間」~
学校教育は、子供たちの取り巻く環境の変化に対応できないまま今日に至ります。
昔は、学校に行けば知的好奇心を引き出すものであふれていました。
家庭や地域にはないものがありました。
オルガンやレコード、教育テレビ番組やラジオ放送、算数教材、理科の実験器具、大型の掲示用の地図などの教材・教具類。
そして、モノばかりでなく友達。
休み時間になると友達と遊ぶことが楽しかったものです。
また友達は遊ぶばかりでなく、さまざまな情報を教えてくれる情報伝達機関のようなものでした。
ある意味、学校は「知の空間」でした。
ところがどうでしょうか。
今は「知の空間」ではなく、禁止と制御される息苦しい「時代遅れの空間」へとなってしまいました。
家に帰ると、スマホや自分専用のパソコンで様々な情報にアクセスできます。
ゲームはもちろんですが、子供たちはゲームばかりやっているわけではありません。
自分がいいなと思ってアクセスすると、その後それに類する情報が繰り返し画面に表示されてきます。
教師のことで言えば、新しいこと、未知のことを教えてくれる「知の伝達者」ではなくなり、新しいこと、未知のことを知ろうとすることを制御してくる「知の抑制者」と子供たちには捉えられているのかもしれません。