【集団思考論】第28回 会話成立のためのペアによる会話訓練
共通の課題に向けて会話が成立しやすくするためには、日頃から訓練しておくことが必要である。
私は出会いの時や席替えの時、次のような自己紹介をさせることがある。
「これから、隣と座った人と自己紹介をしてもらいます。
一人30秒です。
30秒間一人が自分のことについてどんなことでもいいから話します。
もう一人の方は30秒間ともかくうなずきながら相手の話を聞きます。
30秒たったら先生が交代といいますから、交代して同じことをします。
つまり一方が自己紹介をし、一方が相手の話を聞くのです」
このように説明して二人を向い合わせる。
その時、「イスをきちんと相手の方を向けるのですよ」という注意がなければ学級の中には、イスはそのままにして体を横にしただけで相手の話を聞こうとする子がいる。
そこで、きちんと相手に体を向けさせるというのことを私は指導するのである。
また、お互いの自己紹介が終わって、私はある子を指名して「お隣の人はどんな人でしたか」ということを聞いたりもする。
話を聞けたかどうかということを確認するのである。
このようなペアによる会話訓練またはコミュニケーションをとる練習のようなことを私は多く取り入れる。
例えば、意見発表を求めるとき、自分の意見を発表するのではなく、隣の子の意見を発表させたりする。