【集団思考論】第27回 集団思考成立の第二条件
共通の課題に向けて会話が成立しやすくするためには、案外座席の座らせ方も大切である。
それは、コミュニケーションをとりやすい環境にするということを意味している。
今の子供たちを見ていると、二人だけでの会話もなかなか成立しにくい。
そうした状況が見られる。
それでは、会話を成立させるために最低限教師はどのように指導したらよいだろうか。
若い教師、未熟な教師の学級の話し合い活動をみると、案外座席の座らせ方ということについて無頓着である。
話し合い活動させているにもかかわらず子供達の座席への座り方が、全員黒板の方を向いているという一斉指導の形態のままということがよくある。
向山洋一氏が提起した「指名なし討論」。
指名なし討論は、教師が主導する授業から子供たち自身が授業を創り上げていく方法論として極めて優れている。
子供たちは、誰が発言してもよいという自由な環境で選択性の原則を働かせながら授業を進めていく。
しかし、子供たちはすぐに指名なし討論ができるわけではない。
成立させるためのステップが必要である。
指名なし討論を成立させるための第一段階として「指名なし朗読」というのがある。
この場合、座席をコの字型にするということが非常に重要である。
一斉指導の形態では、読みがスムーズに流れていかないのである。
それにもかかわらず指名をしないということばかりに気を取られて、座席のことにまで配慮が行き届かないのである。
お互いの表情や動きが見えるというのは「指名なし朗読」をスムーズに展開するポイントである。