【集団思考論】第33回子供への愛おしさ・その2
子供集団、とりわけ学級集団をよりよくしていくためには、教師のあり様が大切である。
教師が一人一人を大切にしていなければ、子供同士の関係も荒れてくる。
教師が一人一人を大切にし、目をかけていれば子供も他の子に対して優しさを発揮するようになる。
前回紹介した子の発言。
「私3年生の時、何回も班長に立候補したけれどなれなかったんだ。すごくなりたかったのに、私に何か悪いところがあるのかなぁ。そして先生、4年生になったら班長になれるかな」
私が尊敬する教師に向山洋一氏がいる。
氏は、この子の発言を目にしたとき、「愛おしいじゃありませんか」とおっしゃったことがあった。
この「愛おしい」と言う言葉が今でも私の心に残っている。
教師と子供の関係を作る根源的なもの。
それが愛おしさではないのか。
教師が子供の可能性を信じ子供の可能性を引き出そうとするために様々な指導方法を工夫する。
それは子供への愛おしさと言うものを背景としているのではないか。
愛おしさがあるからこそ、すべての子供たちを包み込み高い峰にも挑戦させていく原動力になっているのではないか。
それが向山実践なのではないか。
そんなことを私は思ったのである。