【集団思考論】第35回子供に語りかけ歩み寄る・その2
教師が子供に積極的に語りかけ、歩み寄れば、もっと学級集団の雰囲気は変わる。
拙著『生きる力が育つ生活指導10の原則』(明治図書)で、私は孟子の「忍びざるの心」というのを紹介した。
井戸のそばを通った時、小さい子が井戸の中を覗き今にも落ちそうである。
その時、いてもたってもいられなくなくて子供に注意する。
頭の中で「この子は何をやっているんだろう」と考えず、ともかく行動に出る。
それが「忍びざるの心」である。
学校の廊下で元気のなさそうな子供とすれ違うとき、私は必ず声をかけた。
休み時間、教室でひとりでいる子や寂しそうにしている子に必ず声をかけた。
挨拶程度でも良い。
ともかく笑顔で明るく声をかける。
こうした何気ないように思われる教師の行動が、子供の行動にも徐々に影響与えていく。
優しい行動が多くなる。
困っている子に自然に声をかけるような学級になっていく。
助け合える、励まし合える学級になっていくのである。