【連載44】ICT活用と知的好奇心 ~知的好奇心が子供を変えていく~

「地域に飛び出す子供」というテーマは、「ふるさとタイム」だけでなく、当然授業でも行っていました。

今では、社会科で聞かなくなった言葉に「公害」というのがあります。

公害が社会問題化していた時期がありました。

社会科で公害について学ぶのは小学5年生でした。

当時、私の学級の子が次のような授業のまとめを書きました。

・・・・・(前略)・・・・・

私は社会科のことについて、話し合うこと、調べることが好きです。

特に、別海に公害はあるか、の予習課題や12月3日の時の、公害は増えているか減っているのか、の話はもうすっごいみんな熱中して授業が終わった後も話し合っていた。けんかです。ほとんど。 私は、その話し合いをするのが好きだったのです。調べるときは、いろんな人と調べました。Tさん、Sさん、Nさん、Gさん、Kさん、Wさん、など・・・。でも一番良かったって思うのはIさんです。二人で下水処理場へ行ったりして、とても勉強になりました。

自分一人で調べることもけっこうありました。一人で部屋で本などを写したりするとき・・・。それが水俣病、イタイイタイ病についてとかは、すっごくなかみを読んでいると、気持が悪かった。発表は楽しかったけど・・・・。

・・・・(略)・・・・

私が公害を勉強しているといつまでたってもやめられないという気がする。

前は、Sさん、Bさんを目標としていたが、調べて調べてやっとその目標を達成して、Sさん、Bさんを追い抜かせた気がする。

先生は、追究の鬼になれ、とみんなに言った。追究の鬼とは何か どうしたらなれるのか、私はわからない。でもたぶん、調べて調べて調べまくるひとのことをいうと思います。

もしそうなら、私は、その追究の鬼になりたいです。今まででも先生は、すごいねってほめてくれるけど、私は満足できないです。今まででも大変だったけれど、でも自分ではもとやれるって気がする。

私は、この公害の学習をしてよかったって思っています。調べる力もついたし、友達の意見もたくさん聞けるようになったし、たくさんたくさんいいことがいっぱいあったけど、今は追究の鬼になることが目標だからたくさん調べてそれになりたい。

私は公害は、大、大、大、大、大、大っきらいです。みんなをこまらせるからです。公害はどこまでみんなをこまらせるのか。みんなが公害をだしていてもみんながこまるからもっと気をつけた方がいいと思う。世の中には、公害がたくさんあるけど、世の中の人で公害がいいなんて思う人は、一人もいないと思います。

この学習のまとめを書いた子は、この学習の前までは、型通りの勉強しかできませんでした。

いわゆる「優等生」的な学習です。

しかし、この公害の学習で変わりました。

足を使って調べるようになったのです。

図書館、役場、下水処理場等、何度も足を運び、調べノートにまとめていきました。

時には、札幌の道庁まで電話をかけて調べ学習を行ったのです。

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