【集団思考論】第40回起きた問題のみを取り上げろ
子どもの多様性を認めるのは当然だ。
しかしながら、認めれば、何か問題が起きた時、問題解決が難しくなる時がある。
話し合いが脱線しがちになる。
子どもだけによる話し合いが脱線したとき、具体的にどのような介入の仕方があるのか。
私がしてきたことは「事実を確認する」ということである。
教師主導のもとに事実を丹念に追っていくということをする。
その際、気持ちや思いはできるだけ排除する。
気持ちや思いの学級全体での共有化は、後回しにする。
事実の共有化こそ優先する。
気持ちや思いを優先してしまうと、過去の体験や思いだけが、それも美化された(自分を正当化した)ものだけが学級全体に出されてくる可能性がある。
事実にこだわって問題を解決していくというのは大変難しいことだ。
そこで、その時起きた問題のみをまず取り上げるということになる。
子どもによっては、もう過ぎ去った昔のことまでさかのぼって言うときもある。
「今は、そのことについて話し合ってはいません」とピシャリと言う。
あれもこれもいっぺんに解決しようとすると、泥沼にはまっていくのである。