【集団思考論】第42回集団思考で教師の指導を放棄してはならない
何回かに渡って私が主張してきたことの一つは、教師が指導を放棄して、安易に子供たちだけに「集団思考」を任せてはいけないということである。
教師の中には、「民主的な子供集団を育てる」「自立的な子供を育てる」といって、子供たちだけに延々と話し合いをさせることがあった。
ともかく話し合いをさせれば、子供集団や一人一人の子供が育つと考えていた。
そんなことは幻想である。
子供たちに任せきったと思えるような話し合いにおいても、その陰にはきちんと教師の指導は働いているのである。
一人一人の子供や子供集団を成長させられるかどうか、そのことが「集団思考」には問われるのである。
以上のことを授業という場面で考えてみればわかりやすいだろう。
現在、共同学習が盛んにおこなわれるようになった。
確かに共同学習を行うことによって、子供たちの意欲や学力の向上に効果があったりする。
しかし、教師側での指導が適切になされなかったら効果は上がらないものだ。
こうしたことはエビデンス的に立証されている。