【読書】山口周著『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)
最近、若者たちが某回転寿司チェーン店で、流れている寿司にいたずらをし、それをSNSに投稿するという事件がありました。
こういう事件は、今回の事件だけに限らず、最近よく聞きます。
また、若者だけでなく大人の側でも、データ改ざんや見るに堪えない事案というものが増えています。
かっこ悪いと思わないのだろうかと私なら思ってしまいます。
さてこの本は以前に一度読んでいます。
書棚から取り出し再読しました。
今企業は、論理や分析といったサイエンス重視だけの経営だけではたち行かなくなっている。
それほど現在の状況は、複雑で不安定な社会になっているというわけです。
前述した若者や大人の起こす事案というのは、美意識の欠如と言えるのかもしれません。
そうした時代にあって、美意識の鍛えることの意義を世界的な流れをもとに記述しています。
ノーベル受賞者は、一般人と比較すると芸術的趣味を2.8倍も有しているといいます。
サイエンスとアートは対照的な営みでなく、相互に影響しながら高い知的水準を保っているというわけです。
また、アメリカの医大生にアートを用いて視覚トレーニングをしたところ、観察力が56%も向上したと言います。
豊富な事例をもとにしながら、これからの教育に何が大切なのかを示唆している良書です。