【雑感】手で壁を触ってみる
教師は、子供の側に立って考えることが求められる。
しかし、それは言うほど簡単なことではない。
4月、子供たちと新しい教室で出会う。
その出会いの前に教師は出会いに相応しい教室にするために、教室環境を整える。
教室からあらゆる物を運び出し空っぽにする。
ハタキでホコリを払い、ホウキで掃き、念入りに雑巾がけをする。
教室の壁についているテープや画鋲、釘などを取り除く。
こういうことを多くの担任教師はしている。
新しく出会う子供たちが心地よく過ごせるために教室環境を整えるのである。
その上で私がしていた事がある。
それは、教室の壁を手で触れてみることである。
何故そんなことをしていたのか。
画鋲の頭が取れ、足の部分だけが壁に残っていることがあったためである。
手を触れることによって見つけることもできる。
係り活動がスタートすると子供たちが壁に掲示物を貼ったりする。
その時、画鋲の足が残っていると小さな、それでいて痛い怪我をすることがある。
それを未然に防ぐのである。
これは、子供の側に立って考え、それを実践していることにほかならない。
教師が子供の側に立って考えるとは、結局こうした何気ない配慮や気配りができるのかということである。