【雑感】細かく見ると世界の見え方が変わる
教室の窓から見える景色を作文に書かせる。
そのために、机を外の景色が見える窓の方に向けて座らせる。
私が子供たちに与えた課題は
「教室の窓から見える景色を作文しなさい。できるだけ長くです」
子供たちはシーンとなって取り組む。
黙々と原稿用紙に文字を綴っていくのである。
子供たちの書く内容は、実に細かいところまで見たものになる。
木がある。
今までなら、そのような大雑把な叙述だったのが、木の細部まで表現するようになる。
幹がゴツゴツしている。太い幹から細い枝が何本も出ている。色は、焦げ茶というより黒に近い。それも場所によって違う色だ。
実に微に入り細に入り書き込むようになる。
細かなところまで書き込めるようになると、身の回りの世界が、違った世界になる。
教育の大切な働きとして、今まで見えていなかったことを見えるようにする、というのがある。
教師のちょっとした工夫で、子供の世界を広げ、見え方を変えていくことができるのである。