【雑感】子供と教師にゆとりを確保するために休み時間を増やす
教員の多忙さを少しでも減らし、ゆとりを持たせるには、学校においては教務主任の働きというのが一つのポイントになる。
教務主任は、学校の教育課程を管理している。
年間の教育課程だけでなく、日々の教育活動も管理できる立場にいる。
陰で学校の教育活動を動かしていると言ってもいいのが教務主任なのである。
教務主任であった時、私は先生方に少しでもゆとりを持ってほしいと思っていた。
学校現場の多忙さは、昔からあったし、「不夜城」と呼ばれる学校がいくつもあった。
(今と昔では、多忙さの質が違い、今はある意味「不健康」になっているのかもしれない)
教務主任として私がまず行ったのが、日課表を変更することであった。
休み時間を増やせばゆとりが生まれるということは、現場の教師ならみんな分かっている。
しかし、それをどう増やすかだ。
そんなに簡単なことではない。
年間の学校行事や授業時数を細かく計算し、日課表を組まなければならないからだ。
カンナで削るように、授業時数を決め、日課表に落としていく。
結果、職員会議で次のことを提案し、ひと悶着あったが、やってみることになった。
1.休み時間を延長すること。
それまでは午前中20分間。それを30分間にした。
午後は給食時間を含めて1時間10分とした。
2.予鈴をなくすこと。
3.給食時間終了のチャイムをなくすこと。
そして、2ヶ月後、私は全職員にアンケートをとった。
結果は大好評であった。
・1回の休み時間でする遊びの種類が増えた。(おにごっこして、本を読んだ。絵を描いてからボール遊びをした。)
・友達関係がよく見えるようになった(グループ化)。
・とても良いと思う。何かゆとりが感じられる。子たちも楽しそうな表情が目立つ。
・子供の様子を見る時間に役立たせてもらっています。先生方と子供のことを話す機会も増えました。すぐに遊びの輪の中へ入 れない子は、友達の様子うかがいながら、40分という時間の中で少しの時間でも中に入ろうと努力していたり、それがうまくできない子は私のところへ相談に来たりとそれぞれ子供たちは時間を使っています。自分の中でチャイムを持つことで伸び伸びと、そして考える力も育っているような気がします。
・これから、子供たちの意見を取り入れ、全員遊びや班遊びなどをしていきたい。
・教師にゆとりができた。授業にも好影響。
・ちょっとした活動を休み時間に仕組めるのがうれしい。
・子供と遊べる。何か事務的な仕事があっても時間をわけて使える。うまくすれば、2つ、3つのことができる。幸せ。
・委員会や児童会3役の子供たちにも自由な時間を持たせてあげられる。以前だと、話合いや仕事の後、休息の時間、遊べる時間は保障できなかった。
・教師が始業を守らねばならない。(話合いなども決して延ばさない)
・子供たちの過ごし方を把握しないと「放任」になってしまう。
等々
子供たちにもアンケートを取る。
もちろん、子供たちにも大好評であった。