【雑感】情報教育は推進されているのか

私が興味があることがあります。それは「未来の学校」に向けて、学校のICT化は進んでいるのかということです。

先月7月12日付で、以下の通知文が文部科学省から各自治体の教育長あてに発出されました。

第3期教育振興基本計画を踏まえた,新学習指導要領実施に向けての学校のICT環境整備の推進について(通知)

(←クリックすると文書を見ることができます。)この通知文の中で次のように書かれてあります。

学校におけるICT環境の整備に必要な経費については,本整備方針を踏まえた「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)」に基づき,単年度1,805億円の地方財政措置が講じられることとなっています。

「そうか。単年度で約1800億円か。5か年あるのだから約1兆円近い予算が財政措置されているのだな」と単純に考えると思ってしまいます。しかし現実はそうはなっていません。各自治体がどのように使うかは、各自治体の判断に任されるのです。そして、次のような文があります。

「学習者用コンピュータを3クラスに1クラス分程度整備」

「普通教室における無線LANの100%整備」

「超高速インターネットの100%整備」

「教師のICT活用指導力の改善」が、政府全体の方針として設定されたところです。

「本当にこうなるの?」と思う方も多いのではないでしょうか。そして、現実に文部科学省は次のように危惧しています。

各地方公共団体における整備を促してきましたが,状況は未だ不十分であり,新学習指導要領の全面実施を間近に控え,このままの状況では児童生徒の学習に支障をきたす恐れも懸念されます

「えっ!」です。子どもの学習に支障をきたす恐れがあるってどういうことですか。国はきちんと予算を付けている。だけど各自治体が取り組んでいない。もしくは取り組んでいたとしても不十分。だから次のように書いています。

各教育委員会におかれては,新学習指導要領において求められる学習活動を全ての学校において実現できるよう,各教科等の指導におけるICTを活用した学習場面を念頭に置き,学校のICT環境の整備や教員のICT活用指導力の向上に万全を期していただくよう重ねてお願いします。

異例とも思える通知文です。私にはそのように読み取れます。是非、今後各自治体では未来に生きる子どもたちのためにICT化に取り組んでほしいと思います。(なお、各自治体の取組状況は文部科学省のホームページから見ることができます。)

 

 

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