【読書】杉山登志郎著『子育てで一番大切なこと』

杉山登志郎氏の前著『発達障害の子どもたち』『発達障害のいま』の2冊は、発達障害を考える上で大変価値ある書籍である。

私は、何度も読み返し、学校現場での発達障害を抱える子どもたちの理解を図るために役立ててきた。

今回の最新刊『子育てで一番大切なこと』は「普通の読者」向けに書かれた子育ての本である。専門性に裏付けられながらも、大変わかりやすく、ある意味役立つように対話形式で書かれてある。

3歳までの大切さ。安心感。一人一人に対応した子育てなど、私なりに学ぶことが多かった。

詳しい内容については本書をお読みいただきたいが、本の最後にこれから母親となるミサキに対して次のように語りかけているので紹介しておこう。

本のまとめというより、これからお母さんになるミサキ君に贈る言葉としよう。

1 動物としての子どもの自然で健康な生活を守ろう。きちんと睡眠をとらせよう。

2 子供の好奇心を大切にしよう。

3 子どもの脳を興奮させすぎないように気をつけよう。

4 子供が安心して育つことができるように、子どもを守ろう。

5 3歳までがとても大事なので、この時期は子供中心の生活を大切にしよう。

6 子供の多様性、子供の凸凹を受け入れよう。

7 子供にあった教育を選ぼう。

8 子供に無理をさせ ることを避けよう。

9 子供の迫害体験や挫折体験をできるだけ減らそう。

10社会全体で、子どもを育てていこう。

<中略>

人はヒトいう生き物だろう。太古から受け継いだ生物としてのヒトという生き物のあり方にできるだけ逆らわず、無視や無理をせず、子どもが成長しているということ。これが子育てで一番大切なこととして、見直されるようになるといいんだ。

それはやはり、一人一人が基本を思い出すこと、からだね。

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