【集団思考論】第02回 集団思考は授業と生活指導では違う
「集団思考」では、1人で考えるより複数の人たちで知恵を寄せ合い考えることで、より良い解決に結びつけられるとする。
しかしながら、授業における「集団思考」と生活指導における「集団思考」は、同じものではない。
授業における「集団思考」と生活指導における「集団思考」の決定的な違いは、
子供の行動に結びつくか
という事にある。
授業における「集団思考」では、行動する事に直接的な目的があるのではない。
集団思考そのものに目的がある。
授業の中で集団で話し合う事自体が、一人一人の「考える力」を鍛えていくのである。
ところが、生活指導における「集団思考」では、集団で思考した結果として「一人一人の行動につながること」それに目的がある。
そのことが一人ひとりの成長につながると考えるのである。
例えば、特別活動の分野である学級会で「男が得か。女が得か」といったようなことを話し合わせる事はまずない。
その問題を全員で話し合って結論を得たからといって、それが何かの行動を促す事はありえない。
しかし、国語の時間「話し合いの練習」として「男が得か。女が得か」ということを話し合わせる事はあるかもしれない。
話し合わせる事を通して、問題について考えること、意見の発表の仕方、賛成・反対の仕方、友達の意見の聞き方、まとめ方等を指導していくのである。