【集団思考論】はじめに

今から30年ほど前、学校が存在する意義の一つとして「集団教育」の大切さを問題提起するために「集団思考」という観点から、出版化の企画があった。

シリーズ化の企画である。

執筆者は私であった。

教育雑誌でも連載をし続けていた。

その後、私の生来の怠惰な性格もあって企画は頓挫した。

時代の流れもまた集団というより個別化・個性化へ学校教育もシフトしていた。

現在、教育には2つの大きな課題がある。

一つは「個別最適な学び」

もう一つは「協働的な学び」である。

どちらにもICTは大きな役割を果たすであろう。

しかしながら「協働的な学び」をより有意義なものとするためには、教師に子供集団をどのように価値づけ、どのように指導していくのかという考え方と方法を持ち合わせておくことが前提となる。

このことが教師側に意識され実践されなければ、「協働的な学びは絵に描いた餅」にならざるを得ないだろう。

「協働的な学び」のキーワードの一つになるのが集団で問題解決を図っていこうとする「集団思考」である。

本連載は、今一度、以前書いた論文に加除修正を加えながら学校教育における「集団思考」の価値について語っていこうとするものである。

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