【集団思考論】第04回 テーマは行動につながるものにする
児童会の委員会の組織の仕方で、多くの学校で行われているのは、教師側があらかじめどんな委員会が学校として必要かを決め、それを子どもたちに提示して、所属させるというものである。
しかし、私が以前勤務する学校では、こういう方法をとらないことにした。
子供たちの自主性を大切にし、子供の意欲を最大限引き出すために、原理から戻って組み立て直してみたのである。
どんな委員会が必要かを、高学年全員が集まって話し合わせる高学年総会を開く。
イメージは、ギリシャ時代行なっていた直接民主制である。
車座になり喧々諤諤と論議するイメージである。
その場で、子どもたちが話し合って必要な委員会を決定する。
「自分の学校をよりよくしていくためには、どんな委員会が必要なのか」を高学年全員で話し合い決定していくのである。
子供たちが現在の学校にどのような委員会を必要と考えるのか、それを第一の優先事項とした。
ところが、子どもたちの決定した委員会には、教師側で必要としている保健委員会が無かったとする。
そのために、これを職員会議に提案すると、
「保健委員会が無いと困ります。トイレのトイレットペーパーや洗い場の石鹸を取り替えるのが大変になります」
という意見が教師から出される。
ここで、子供たちの意欲をつぶすことなく、どのような手段・方法を教師側はとるのか。
それは教師集団が試されるとても大切なポイントだ。
結局、子どもたちの話し合って得た結論が、教師側の都合で反故にされるという事が生じたとする。
となれば、何のための話し合いであったのか。
実現されない、子どもの行動に結びついていかない話し合い活動、それは子ども側からしたら何ともむなしく、無意味なものとなるだろう。
ともかく、子供たちが真剣に話し合った結果として、それが実現する。行動に結び付く。
それがあることが生活指導の集団思考における大切なポイントなのであった。