【ICT活用】授業の組み立て方(前)
ICTを活用した授業は、教科等のねらいがまずあって、それを達成するためにICTが活用されることになります。
ICTは授業のねらい達成のためのあくまで「ツール」であり「文房具」です。
今は、さすがに誤解する方もいなくなったと思いますが、端末導入時にいてICT活用もプログラミング教育も区別のつかない方というケースがありました。
パソコンを使っていれば、プログラミング教育をしているのだという誤解です。
プログラミング教育には、プログラミング的思考を育成するという目標があります。
ですから、プログラミング教育の授業実践するために、まず考えるべきことは、プログラミング的思考を育てるということになるのです。
そこで今回は、ICTを活用する授業の組み立て方について分けて説明します。
1 授業のねらいを明確にする。
まず考えるべきことは、ICTを活用するかしないかを論ずる前に、子供の発達段階や特性等を踏まえつつ、授業を通してどのような資質・能力の育成を図るのかを明確にすることです。
そのことが、授業の充実につながります。
1時間の授業を考える場合、あれもこれもをねらいとするのではなく、できるだけシンプルにすることが大切です。
ねらいをシンプルにすることで、「わかる・できる」授業を保証することにつながりやすくなります。
2 授業のねらいに基づいて、授業の骨格を定める
授業を構想する上で大切なことは、教師がどのようなことを学習者である子供たちに言葉を発するのかを考えるということです。
つまり教師の発話が大切なのです。
教師の発話には粗く言うと「発問・指示・説明」の3種類があります。
授業準備の段階で、授業の流れにそってそれらを書き出してみます。
当然、教師の発話は子供の意欲を引き出したり、子供の知的好奇心を喚起したり、子供が主体的に学びに参加してくるようなものでなければなりません。
常に教師の発話は子供の学びを成立させるものになっているかを考えイメージしておくことが重要となります。
また、どのような教材を使うのかということも教師の発話とともに授業のねらい達成のためには必要となります。
教材にもさまざまなものがあります。
全ての子供たちに力をつける教材、全ての子供たちが意欲的に取り組める教材ということを考慮して選択することです。
要するに、今までの授業づくりと同じなのです。
3 ICTを取り入れる場面を考える。
ICTは「道具」「文房具」です。
その道具をいかに効果的に使うかは、教師の腕にかかっています。
まず、ICTの活用意図と活用内容を明確にして、授業の中のどの場面で、教師のどのような発話をするのかとともに、ICTを取り入れるのかを考えます。
例えば、授業の冒頭で子供の興味関心を高めるために画像や動画を大型モニターに映し出したり、授業のまとめの部分で子どもの作品の良いところを指摘させるために大型モニターに映し出すというようにです。