【ICT活用】キーボードによる日本語入力

学校では、一人一台端末による教育が始まっています。子供一人一人にタブレット端末を所持させることで、やはり一番に期待したいことはキーボードによる文字入力のスキルを向上させたいことです。キーボードによる文字入力がスムーズにできるようになれば、思考を深めるとともに表現の幅が広がります。また、あらゆる学びの基盤としてタブレット端末を有効に活用していくことが可能となります。

子供たちのキーボードによる日本語入力のスキルを向上させるためには、学校や学級においてどのような取り組みが必要になるでしょうか。

子供たちのICTスキルの習得状況を明らかにしようとした調査研究があります。渡邊光浩らは、日本教育工学会2021年全国大会で『1人1台情報端末の環境で初めて学習する児童のICT操作スキルの習得状況』という論文を発表しています。

この調査研究の中で2つの操作スキルについての習得状況を明らかにしようとしています。一つは「キーボードによる日本語入力の速度」、もう一つが「基本的な操作やアプリの操作の習得に関する意識調査」です。

一口に日本語入力速度といっても、2つの意味があります。一つは「黒板に書かれたことをノートに写す時のように見たままを入力する」視写入力、もう一つは「作文を書く時のように自分の考えたことを入力する」思考入力です。

視写入力と思考入力とで比較すると、やはり思考入力が速くなってほしいと考えると思います。考えたこと、思ったことを苦労することなくスムーズに入力できれば学習ばかりでなく、生活でも活用できるはずです。

調査研究によると、キーボード入力に取り組みだして最初の頃は、やはり試写入力の方が思考入力より速いという結果になります。

ところが、調査研究の対象となった4年生も6年生も、ある時期で視写入力速度と思考入力速度がほぼ同じになります。それは取り組み始めて4か月後です。取り組み始めて4か月後に思考入力が追いつくというのは、なかなか興味深いことです。

この調査は、2つの学級で行っています。担任は、4年生の方はICT活用にある程度長けた先生。6年生の方はICTに関してほぼ初心者といった感じです。しかし、教師のICT能力とは関係なく、どちらの子供たちもキーボード入力のスキルを向上させています。教師や学級による差が出ないという可能性を示唆していることになります。

それでは、二人の先生はどのような指導をしたでしょうか。二人とも共通した指導内容があることがわかりました。それは、キーボード入力に取り組む学習アプリは同じなのですが、授業時間だけでなく、作業終了後の隙間時間や休み時間にも取り組ませていたということ。子供たち一人一人の習得状況を把握していたということ。努力している子を個別に褒めたり全体の場でほめたりしていたということ。そして、上達しない子へは励ますということをしていたということ。これらが共通して指導していた内容でした。

考えてみれば、これらはキーボード入力のスキルを向上させるということだけでなく、日常の学習指導でも大切にされなければならないことです。日常の学習指導で効果のある方法は、ICT活用でも効果があるということを示唆しているのだと考えられます。

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