【連載09】ICT活用と知的好奇心 ~技能系は効率が必要~
運転免許を取得するために、誰でも自動車学校に通います。
講義を聞いて、運転教習を行い、試験を受けて、合格すると運転免許証を手にすることができます。
この運転免許取得の過程の中で、知的好奇心というのを必要とするでしょうか。
問題意識をもって講義を聞いたり、試験対策問題を解いたりするでしょうが、免許取得を目指している者にとって一番重要なのは、できるだけ早く運転免許証を手に入れることです。
講義を聞きながら
「何故自動車は左側を走らないといけないの?それは日本だけなの?」
みたいなことを日常の中でふと考えることはあったとしても、講義中、大方考えることはありません。
また、講師の教官に質問することはありません。
そんなことをすれば、他の講義を受けている人たちから顰蹙をかってしまうでしょう。
そしてまた、実際に運転するときに必要となる知識でもありません。
やはり自動車学校での学びというのには効率性というものが求められます。
この効率性を求める学びには、学校教育のなかにも存在します。
その多くは技能取得の学びです。
もちろん、技能取得であっても好奇心といったことは必要かもしれませんが、学校という限られた時間の中で、一人の落ちこぼしもなく全員にある種の技能を身に付けさせるには、やはり効率性を問題にしなければならないのです。
技能を身に付けるというのには時間がかかり、その時間のかかりかたは一人一人によっても違うのです。
教えたらすぐにできるようになる子もいれば、なかなか身につかない子もいます。
そして、教える時間は無制限にあるわけではないのです。