【連載24】ICT活用と知的好奇心 ~実践「あえて間違いをさせる」~
今までの学校教育の中では、前述してきた女の子のケースと似たことはきっと数多くあったのではないかと思います。
だから、子供は学年が上になるにしたがって失敗や間違いを怖れ、意欲を無くし消極的になってしまう子が増えていってしまうのではないかと思います。
私の実践の中に「あえて間違いさせる」というのがあります。
難しい漢字を黒板に書いて、子供に順番に読ませます。
最初はどう読んだらいいのか子供はわからず声に出そうとはしません。
しかし、私の方から「間違えていいんだよ」「ともかく、出鱈目でいいから読んでごらん」といった投げかけで子供たちは何とか読もうとします。
当然、それだけの投げかけで正解に達するわけではありません。
順番に読ませながら、「残念」「惜しい」「正解に近づいてきた」等と笑顔で言い続け、そして途中でヒントを出したりします。
結果、正解を言う子が出ます。
正解を出した子は大喜び。
周りの子もびっくりという雰囲気になります。
そこで言います。
「最初は、ずっと間違えました。しかし、それは無駄ではないね。
間違いをたくさんしてくれたから〇〇さんは正解に到達することができたんだ。
間違いをすることは恥ずかしいことではなく、正解に達するためには必要なことなんだよ。
これからこの教室では間違いを大切にし、間違いをたくさんしていこう」