【連載31】ICT活用と知的好奇心 ~「正解のない時代」を生き抜いていくために必要なこと・2~
1人の子も取り残さないために「間違いを大切にする」と「正解がない」という二つの考えは、矛盾するように思われるかもしれません。
しかし、決して矛盾していることではありません。
それは、方法論と目標論という違いにあります。
ここでは、もう少し「正解がない」ということについて述べておくことにしましょう。
「正解」というのは、ある意味「目標」です。
目標に照らして、子供の出した解を正解か不正解に判別しているのです。
しかし、その目標そのものが誰かが設定したものでなかったり、自分自身で設定したものだとしたら、目標の客観性・絶対性というのはなくなります。
つまり自分自身が納得した解を出せるのかということになります。
「正解がない時代」というのは、「絶対解」ではなく「納得解」へ、世の中の考え方がシフトしているということです。
とすれば、独りよがりではなく、また狭い考え方や凝り固まった考え方にとらわれることなく、自らの解をよりよく求めていこうとする姿勢こそが重要になります。
問題を発見する力、問題に真摯に向き合う姿勢、問題を解決していこうとする力や最後まであきらめず自分が納得するまで問題解決を図ろうとする姿勢が「正解のない時代」にはより重要になってきます。