【連載32】ICT活用と知的好奇心 ~知・徳・体の一体的な教育から脱皮しましょう~
知・徳・体の一体的な発達を促す全人的な教育が大切だと言われてきましたが、一人一人を大切にし、個性的な人材を育てていくという観点に立つと、どうしても全人的な教育とは矛盾してきてしまいます。
数学の得意な子が体育が苦手であっても構わないはずです。
その逆もしかりです。
芸術分野・スポーツ分野などのある特定の分野だけに長けている子が存分の自分の能力を伸ばし、発揮できるようにしてあげることも必要です。
そのためには、「正解のない時代」を生き抜いていくにあたって、まず「知・徳・体の一体的な発達」という考えを変えなければなりません。
象徴的に言うならば、学校施設が建てられた当初から学校体育館ステージ横に掲げられている学校の教育目標そのものを変えなければならなくなっているということです。
当然、読み・書き・算に代表されるような基礎的な学力は、今後とも必要とされるでしょうが、その子の習得のペースを無視した学習形態・学習方法での在り方は変えなければならないでしょう。
そして、その子の長所や個性を伸ばすという観点で教育を組み立て直しておかなければならないというのは避けられない時代の流れです。